子どもも大人も、ともに楽しめる“うた”をお茶の間に届けてきた『みんなのうた』(NHK)が、’61年4月の放送開始から今年で60年を迎えます。そんな記念すべき年に、V6の井ノ原快彦(44)がアンバサダーに就任し、名曲の再放送、楽曲の誕生・制作秘話特番などを放送中。
そこで本誌では、『みんなのうた』をさらに深く知るべく、“中の人”こと謎の事情通アバター・皆野歌夫氏にインタビューしてきました! 昭和、平成、令和……、時代とともに生み出された1,500曲のなかから、厳選してご紹介しますーー♪
【’60年代】白黒テレビの時代! 外国民謡が多かった番組黎明期
『おお牧場はみどり』初回放送1961年4月〜5月
記念すべき1曲目を飾ったのは、チェコスロバキア民謡の『おお牧場はみどり』(東京少年少女合唱隊)。当時はほかにも『トロイカ』『ドナドナ』など外国民謡が多かった。
『ドレミのうた』初回放送1962年6月〜7月
「故・ペギー葉山さんが、ブロードウエーで『サウンド・オブ・ミュージック』の歌の一つ『ドレミ』に感動し、訳詞(意訳)をつけて歌った。番組放送後、楽譜の問い合わせが殺到。
【’70年代】オリジナル楽曲誕生♪ カラーテレビ普及で映像が鮮やかに
『北風小僧の寒太郎』初回放送1974年12月〜1975年1月
歌唱は堺正章で、映像はアニメーションの匠・月岡貞夫氏が担当。月岡氏によると、日本海からやってくる低気圧に寒太郎を見立てたそう。番組のなかでも再放送が多い歌の一つ。
『南の島のハメハメハ大王』初回放送1976年4月〜5月
歌唱は水森亜土とトップギャラン。島民全員が「ハメハメハ」という名を持つ不思議な南国の島の様子を歌った楽曲。「雨が降ったらお休み」というフレーズが当時の小学生らの間で人気に。
【’80年代】テレビゲーム機が大ヒット! 電子音楽を積極的に取り入れた
『ミスターシンセサイザー』初回放送1980年10月〜11月
歌唱はタモリが担当。タモリが『みんなのうた』に出演した唯一の曲になる。まだシンセサイザーが一般的でなかった時代、シンセサイザーが愛される楽器になってほしいと願って作られたそう。
『メトロポリタン美術館』初回放送1984年4月〜5月
歌唱、作詞、作曲は大貫妙子によるもので、映像は故・岡本忠成さんの人形アニメーション。放送直後からとりわけ人気があり、現在でも再放送リクエストが多い名曲の一つ。
【’90年代】バブル期、消費税導入、国際化……世相を反映した曲が多数
『一円玉の旅がらす』初回放送1990年2月〜3月
’89年4月に消費税(税率3%)が導入されたことにより一円玉が注目を集めた時期の楽曲。歌唱を担当した演歌歌手の晴山さおりは、この曲で日本レコード大賞の最優秀演歌新人賞を受賞した。
『WAになっておどろう〜イレ アイエ〜』初回放送1997年4月〜5月
歌唱を担当したAGHARTAは角松敏生のバンドで、作詞・作曲の長万部太郎も角松敏生の別名義。故・由利徹さんの「オシャ、マンベ!」というギャグが好きで、ここからヒントを得たそう。