「若者たちが自分自身に誠実でありたいと思うがゆえに、悩み苦しむ様子がとても切なかったです」
そう語るのは、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合・月~土8時~8時15分/BSプレミアム、BS4K・月~土7時五30分~7時45分。※土曜日は一週間を振り返ります)で、語り&モネの祖母・雅代役を演じる竹下景子(68)。
SNSで「#俺たちの菅波」「#私たちのりょーちん」とハッシュタグができ、視聴者が3人の恋の行方を固唾をのんで見守っていたのと同じ心境で見つめていたという。「菅波先生(坂口健太郎)が転んだ勢いでモネ(清原果耶)に合鍵を渡したところと、りょーちん(永瀬廉)の『俺やっぱモネしか言える相手いない』という告白は本当にぐっときました。みんな幸せになってほしい。それぐらいいい子だから。救いの手をさしのべたい気持ちになりながら、見ていましたよ」
モネと菅波先生のじれったい関係も落ちつくと、それぞれの登場人物も人生の局面を迎えてゆく。全体を通じて印象的なシーンを聞いてみた。「新次さん(浅野忠信)の妻・美波さんの死亡届をどういう形で決着させるか。新次さんも現実を受け入れないと進めないとわかっているけれど、断ち切れず葛藤しているシーンは悲しかったですね」
■地元へ帰ったモネの奮闘ぶりに注目
雅代の夫・龍己(藤竜也)が新次の力になりたいと奮闘するモネの父・耕治(内野聖陽)に対して、「おめえは漁師ってものがわがってねぇな。意地で生きてんだよ漁師は」(第38回)とたしなめたシーンなども印象に残っているそう。
「何度か気仙沼に行って、お話をいろいろ聞かせていただきました。その際、気仙沼の方からドラマに関して感謝の言葉をいただきました。震災がありそこで生きる人、成長する若者たちの姿を真摯に描いているドラマの姿勢が、当事者の方に受け入れていただけたのだろうと思います」
モネは東京から地元の気仙沼に戻ってきたが、今後、モネはどのような道を歩んでゆくのか。
「恋の行方もそうですし、5年地元を離れていた彼女がふるさとで何ができるかを一生懸命見つけていきます。漁師のりょーちんとぶつかったりも。これもスリリングな感じです」
そして忘れてならないのは牡蠣から木の芽に転生したおばあちゃん!
「モネが大事にしてくれたから島に一緒に帰ることができました。おばあちゃんの木がどんどん育っていくのでその行く末も見守ってくださいね」