■今も和田さんに会いたくて仕方ない
家族葬で行われたお葬式は、“和田さんらしさ”を大切にした。
「お葬式はみんな喪服を着ないで、ジーパンにスニーカー。和田さんは昔からずっとジーパンで生活していたから。事務所の人が葬儀場に遅れてきても、ジーパンはいてるから、案内の人は名前も聞かずに『あちらです』とジーパンの集団がいるところに案内してくれたそうよ(笑)」
和田さんの好きなフランク・シナトラの曲を流してかっこいい葬式だった、とレミさんは懐かしむ。
「仏壇も似合わないから置いてない。家のサンルームにあるテーブルの上に篠山紀信さんが撮ってくれた和田さんのかっこいい写真が飾ってあってね、その周りに和田さんがデザインしたたばこのハイライトとか思い出の品やお花を飾ってる。それで毎朝、自分と和田さんの分のお茶を入れて乾杯して、『はい、お父さん〜』って写真の唇のところまでお茶を持っていくの」
47年間、幸せいっぱいの結婚生活をおくったからこそ、和田さんがいなくなると、自分が自分でなくなってしまうように感じた。
「私は和田さんがいたから、和田さんの手のひらの上で自由に好き放題できた。失敗しても『和田さんダメになっちゃったよ』って言ったら和田さんは『そうか、そうか』って見守ってくれる。けど、その和田さんの手のひらがなくなって、ストン、て地獄に落っことされちゃった。少しずつは立ち直ってるけど……。でも会いたいな、会いたいな」