■3人のヒロインたちは“普通に暮らしている人”
ドラマを彩り、初回から最終回まで物語を見守り続ける「語り」も“朝ドラ”には欠かせないエッセンス。今回は城田優が務める。
「語りには、英語をネイティブのように話すことができて、かつ日本語を美しく表現できる方を条件に探していました。この条件を満たし、さらに高い表現力をもっていらっしゃる城田さんに担当してもらえるのはとてもうれしいですね。僕自身が、もともと城田さんのファンだったんです(笑)」
物語の大きなキーワードが『ラジオ英語講座』だけに、語りの城田をはじめ、出演者も英語を話すシーンが登場する。
たとえばヒロインの安子が出会う雉真繊維の長男・稔(松村北斗)も英語が話せる設定であるため、英語の指導を受けた。登場はまだ先だが、英語講師・平川唯一のさだまさしには、その役柄もあって特訓(?)が行われたそう。
「さださんは、英語のせりふの量がとても多いのですが、とてものみ込みが早かったです。ミュージシャンという職業柄、音感がよいのでしょう」
ちなみにさだにオファーをした経緯は「存在感が、現在の日本における平川さんだと思いました」と、堀ノ内さんは説明する。
「平川さんは、終戦間もない日本を明るくしたいという思いを抱いていました。英語がわからない人でも平川さんの声を聴いて元気になることができたそうです。現在のコロナ禍で、日本を明るくしてくれる方はどなただろうと思ったとき、最初にさださんが思い浮かびました。あと、平川さんと見た目が似てらっしゃるんです」
最後に、堀ノ内さんに改めて見どころを聞いたーー。
「『カムカムエヴリバディ』の3人のヒロインたちは、何かを成し遂げた人物ではなく、普通に暮らしている人たちです。恋、仕事、結婚……。いくつもの壁にぶつかりつつも、自分らしく人生を切り開いていきます。母、娘、孫の3世代の100年を描くので、展開が早く感じられると思います。ぜひ、楽しみにしてください」