「お千代との別れはつらかったです。急すぎたし、当初からずっと支えてくれたお千代がこのシーンでいなくなってしまうんだという寂しさと、死自体の重さで、僕は号泣していました。苦しさしかないシーンでした」
こう振り返るのは、放送も残すところわずか3回となった大河ドラマ『青天を衝け』(日曜20時〜NHK総合ほかで放送中)で、渋沢栄一を演じる吉沢亮(27)。
渋沢の長い人生には人との別れも数多くあった。特に妻である千代(橋本愛)との別れは記憶に新しいところ。
千代同様、いとこであり同志であった喜作(高良健吾)との数々のシーンも思い出される。
「いちばん近くで支えてくれたのが、千代と喜作なので、この2人は僕のなかで特別だと思う部分はあります。喜作とのシーンは台本に『泣く』と書かれてなくても、泣いてしまっていました」
そしてやはり気になるのは、徳川慶喜(草なぎ剛)と栄一の絆が今後どう描かれるかだ。
「この先の慶喜さんとのシーンは泣けるものばかりです。細かくは話せないのですが、2人の最後のシーンはこの作品のテーマを語っているので、ぐっとくると思います」
志が高く熱量も高い栄一だが、1年以上の撮影を通して吉沢本人にどのような影響を及ぼしたのだろう。
「栄一をはじめ、その時代の方々の国を思うエネルギーなどは、今の日本の若者にはない気がするし、憧れというか、熱をもって生きるのはやはり素晴らしいことだと思います。僕も趣味でもなんでもいいので夢中になれるものが欲しいと思ってはいるのですが、すごく飽き性で(笑)」
そう話す吉沢が演じる渋沢も見納めは近い。勇姿を見届けて!