大女優の怒り、人気出ずメディアから非難…高橋洋子&藤田三保子が語る「70年代朝ドラヒロインの苦悩」
画像を見る 『北の家族』での左幸子さんと若かりし頃の高橋洋子

 

■藤田三保子は膠原病闘病を経て俳句の先生に

 

「私のころと比べるとヒロインが随分洗練されているなと感じました」

 

こう苦笑いするのは、『鳩子の海』(’74年4月〜’75年4月)でヒロイン・鳩子役を演じた藤田三保子(69)。撮影中は、メディアとの摩擦に苦しんだという。

 

「斉藤こず恵ちゃんが鳩子の少女時代を演じましたが、こず恵ちゃんのあまりの人気に、私が登場すると日本中ががっかり。それでマスコミからたたかれて。ヒロインなのに人気が出なくて、NHKも誤算だったでしょうね(笑)。『紅白歌合戦』も、私は呼ばれず、呼ばれたのはこず恵ちゃん。人気なほうが出るというのは今となっては納得できますが、当時の私は『どうして?』と感じていました」

 

24歳の結婚後は夫の連れ子2人を育てた藤田。20代後半での闘病を経て現在舞台女優として活躍する外園ゆう(34)を出産。

 

「病気でも、子どもを抱えていても、朝ドラの経験があったからこそ、『負けちゃダメだ!』と乗り越えられましたね」

 

友人の画家や俳人に勧められ、40代から絵や俳句を始めた藤田。現在は俳人・山頭女として俳句講師としても活躍している。

 

「未経験でも始めようと思ったのは“一度断ったらおしまい”と役者をしていて学んだから。実は、『鳩子』のヒロイン候補だった6人のうちの1人が辞退したんです。そのとき、『こんな大きなチャンスを断る人がいるんだ』と驚きました。だから絵も俳句も断らないことにしたんです」

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