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「スマホで新刊マンガをチェックするのはもはや日課です。めぼしい作品を見つけるとすぐにタップ。1日2~3冊買うこともザラで夜通し読みふけります。何冊持っているのか、総額いくらになっているか、考えたくないですね(笑)」

 

そう話すのは、人気の連載コラムをまとめた『今日もマンガを読んでいる』(文藝春秋)を出版した、フリーアナウンサーの宇垣美里さん(30)。マンガ愛が宇垣さんの血肉であり「元気の源」であるという。

 

そこで今回、この機会に女性自身読者に向けて「元気になれる」オススメ5作品を推薦してもらった。

 

「傑作ぞろいなので選ぶだけで大変。順位づけは不可能でした。あの手この手で元気をもらえますよ」

 

■『きのう何食べた?』よしながふみ/講談社

 

「シロさん」こと筧史朗と「ケンジ」こと矢吹賢二は同棲中のゲイ・カップル。葛藤と向き合いながらも絆を強め、年を重ねる姿を、「食」を通して紡ぐ物語。

 

「共に生活するうち二人が家族になっていくさまが丁寧に描かれ、時の流れをポジティブにとらえられる。おいしい料理をこれでもかというくらい紹介してくれるところも読者にとって元気の源に。私は自炊も好きなので、作中のメニューをほぼ作りました。いまやローストビーフは得意料理です」(宇垣さん・以下同)

 

■『海が走るエンドロール』たらちねジョン/秋田書店

 

65歳で夫と死別し数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子に、運命的な出会いが待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、自分も「映画を制作したい側なのだ」ということに気づくうみ子。「でも、おばあちゃんだものね」と戸惑いながらも美大入学を決意。心を騒ぎ立てる波に誘われるまま、映画の海へとダイブするのだった。

 

「撮ることに目覚めるのは65歳の女性です。最近、ヒロインの年齢層の高い作品はありますが、とくにうみ子は魅力的。『なにかやってみたい』という願望のある読み手の背中をそっと押してくれます」

 

いくつになっても何かを始めるのに遅すぎることはない。夢を追うことができるのだということを美しい絵柄とともに教えてくれる。

 

物語の随所に海がモチーフとして描かれる。この巧みな表現力も見どころと宇垣さんは言い、「映画を撮ることが好きなのだ!」とうみ子が最初に気づき覚醒していくシーンでは、ドバーンと波が押し寄せる。「この比喩表現がすごい!」と宇垣さんは絶賛。

 

「一方もう一人の主人公、海のキャラは低体温な感じでグイグイいくタイプではないのに、この若さにうみ子がどんどんもっていかれていく展開も目が離せないのです」

 

うみ子と海の交流は、世代の異なる者同士の邂逅で初めて気づけることがたくさんあるのだと教えてくれ、この不思議な関係性もいいなと思わせてくれるのだそう。

 

「『私はこの先はもう現状維持なのかな』って思っている人にこそおすすめしたいですね」

 

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