住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、支えになった曲の話。各界で活躍する同世代の女性と一緒に、“80年代”を振り返ってみましょうーー。
「当時のアイドルって“こうあるべき”という枠があったと思うのですが、そんななかでも小泉今日子さんはぶりっこすぎず、ファッションもヘアスタイルも個性的。すごくかわいいし、声も大好きで、曲を聴けば元気になれました」
そう語るのは、女優の杉浦幸さん(52)。
「いまだにカラオケで歌うのは、中森明菜さんの『セカンド・ラブ』や『スローモーション』(ともに’82年)、それに小泉さんの『夜明けのMEW』『木枯しに抱かれて』(ともに’86年)など。スローテンポの曲が中心です」
彼女たちがいる華やかな芸能界に入ることなど、まったく考えもしていなかったが、中3のときに雑誌『Momoco』(学習研究社)のモモコクラブに応募したことで、人生が大きく変わることに。
「友達に『一人じゃ嫌だから、一緒に出て』と誘われて、『いいよ、いいよ』と軽いノリで応募したのがきっかけ。読者投票で選んでもらえて、事務所からスカウトされるとすぐ、『ヤヌスの鏡』(’85〜’86年・フジテレビ系)で主演することになったんです」
ドラマや映画を同時進行で撮影し、’86年1月には『悲しいな』で歌手デビュー。さらにグラビア撮影などもこなす多忙な毎日。いくつもの現場を行き来する中で、支えになってくれた曲が、小泉今日子の『夜明けのMEW』だった。
「昔から、好きな1曲だけを聴き続けるタイプ。写真集の撮影でスペインに行ったときは『夜明けのMEW』ばかりでした。すごくリラックスできる曲で、移動の飛行機の中や、滞在先での撮影の合間も延々とリピート。この曲を知らなかった撮影スタッフも、帰国するころには頭の中でずっと流れるほど“洗脳”されていました(笑)」
歌っているキョンキョンも憧れだったが、歌番組などで一緒になることはほとんどなかったという。
「新曲をリリースするサイクルが違っていたのでしょうね。たまに現場でお見かけしても、大好きすぎて、ご挨拶以外、何もしゃべることができませんでした」
ところが、夜中にレコーディングスタジオに入ったときのこと、クタクタになり、モチベーションが上げられずにいたところで、偶然にも遭遇する。
「『お久しぶりです』と挨拶すると、ものすごく明るい笑顔で『夜中だけど、頑張ろうね!』って。がぜん、元気になりましたね。一言で人を元気にしちゃう姿を見て“カッコいい! こういう女性になりたい”って感激しました」
そんな’80年代に抱いた思いを、現在も持ち続けている。
「レギュラーのインターネットラジオ番組や生配信トークライブ、テレビ、ブログなど、いろんな場面でみなさんに元気のお裾分けができて、笑顔あふれる幸せ連鎖が起きてくれたらうれしいです。去年行う予定で延期になっている、歌手デビュー35周年のイベントも、タイミングを見て、今年は開催したいと思っています」
【PROFILE】
杉浦幸
’69年、東京都生まれ。’85年、16歳のときにドラマ『ヤヌスの鏡』で主演デビュー。現在は女優、ラジオのパーソナリティなど幅広く活躍。毎週月曜21時から放送中のインターネットラジオ『幸&むらさーの月曜から乾杯!』はYouTubeでも配信