とよた真帆語る大瀧詠一の偉大さ「『君は天然色』のイントロ聴くだけで“いいことありそう”と思えた」
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■オーディションを受けてもすぐに帰されてしまって……

 

苦労した母を幸せにしたい、自分の道を切り開きたいという思いを抱いていた、とよたさん。中学入学時に150センチだった身長が、3年ほどで167センチまで伸びたこともあり、モデルの道を志した。

 

「スーツ姿でローラースケートをしたり、公園の噴水を横切ったりする『コカ・コーラ』の爽やかなCMを見るたびに、“私もあの世界に入りたい”って。当時、原宿の竹下通りではスカウトがすごくはやっていて、いっぱい名刺をもらったりしました。それで17歳のとき、好きだった雑誌『mc Sister』(婦人画報社)のモデルがたくさん所属している事務所を見つけて、スナップ写真を送ったんです」

 

すぐに事務所から連絡があり、ポラロイドカメラでテスト撮影をしたものの、『真帆ちゃん、ありがとう。はい、それじゃあ』と、早々に帰されてしまった。

 

「ダメだったのかなと思っていたら、すぐにスタッフの方から電話があり、『内緒にしていたけど、今度、独立して新しい事務所を作るから、そっちに来ない?』と声をかけてくれて。この事務所には後に、宮沢りえちゃんも所属することになりました」

 

とよたさんは芸能活動が可能な高校に転校し、オーディションにはハングリーな気持ちで臨んでいったという。

 

「特技なんて何もなかったのに、『歌が得意です』と答えたり(笑)。『じゃあ、歌ってみて』と意地悪で言われることもありましたが、そんなときは、高校の学園祭でバンドを組んで演奏した、パット・ベネターの曲を勢いよく歌ったりしました。その勇気を評価してくださったんじゃないでしょうか」

 

保険会社、大手銀行など、瞬く間に20社近くのCMが決まり、念願のコカ・コーラのCMへの出演もかなえることができた。

 

「撮影していたスタジオのエレベーター前の廊下で、『ふぞろいの林檎たち』(’83~’97年・TBS系)の中井貴一さん、柳沢慎吾さんと偶然、一緒になり、初対面なのに柳沢さんがいろいろなモノマネをして笑わせてくださって、中井さんはそんな姿を朗らかに見ていたことを、よく覚えています」

 

生活費も学費も自分でまかない、母の経営するお店の資金もサポート。家族のため、自分の道を切り開こうとチャレンジしたのが、とよたさんの’80年代。

 

「二十歳のころ、母のために伊豆高原におうちを買ったのですが、眼前に広がる景色を眺めながら、大瀧詠一さんの曲を聴いていました。きっと、これからいいことがある――。そんな気持ちにさせてくれる大瀧さんの曲は、何年たっても色あせず、いまだに聴き続けているんです」

 

【PROFILE】

とよた真帆

’67年、東京都生まれ。高校在学中からモデルとして活躍し、’89年、ドラマ『愛しあってるかい!』(フジテレビ系)で、女優デビュー。現在もドラマ、映画、舞台などで活躍中

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