芸道60周年を迎えた“御大”北島三郎も2年ぶりに登場 /(C)テレビ東京 画像を見る

「紅白に勝とうとかはまったくないです。一方で、最近のアーティストやK-POPを知らない方もいると思います。そんな方々の受け皿というか、チャンネルを合わせてもらえれば、ほぼ皆さんが知っている曲をお送りします」

 

こう話すのは、北島三郎(86)、五木ひろし(74)、小林幸子(69)ら錚々たる歌手が出演し、大晦日に放送される『第55回 年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)の星俊一プロデューサー。

 

近年、若者向けの出場者が目立つようになり、演歌や歌謡曲は減る傾向にある歌番組『NHK紅白歌合戦』とは違い、誰もが知る名曲をたっぷり6時間放送することで、大晦日の“いつもの感じ”を味わいたい視聴者の注目を集める同番組にかける思いを聞いた。

 

星さんは00年にテレ東に入社。そこから現在まで、長く番組に携わってきた。また、大御所演歌歌手らが集まる同番組は、局員総出で現場につくのが慣例なのだという。

 

「舞台袖での出演者の呼び込みから、少しずつ仕事がステップアップしていきます。ただ、若い社員は演歌や歌謡曲にゆかりがないことが多く、まずは出演者の顔と名前を覚えるところから。資料や写真で事前に学習するのですが、やはり覚えきれず、『〇〇さんお願いします!』と大きな声を出したら隣にいた、というのはよく聞く話です」

 

現在、「年忘れにっぽんの歌」は、観客を入れた事前収録と過去のVTRをあわせた構成で放送しているが、14年までは生放送だった。さらに、05年までは「日本レコード大賞」(TBS系)も大晦日に生放送していた。

 

「『紅白』『レコ大』『年忘れ』と3番組が大晦日の生放送をしている頃は、出演者の方たちが持ち回りでリハーサルをしたり、『年忘れ』終わりで『紅白』に送り出すとか、『レコ大』から『年忘れ』に来るとか、移動がすごかったんです。若いスタッフが慌ただしい中で混乱して出演者の顔を見間違えてしまい、いるはずの歌手がいない、ということもありました」

 

当時は、トラブルや渋滞など“不測の事態”に備えて、放送順を入れ替えることも想定。星さんは、テレビマンとして「あの緊張感が懐かしいです」と続ける。

 

生放送から収録に変えたきっかけは、視聴率低迷にあった。14年には、生放送でできることをすべて詰め込んだが数字に変化がなく、収録と編集によって番組内容を濃くする方向へシフト。すると視聴率も上がっていったという。

 

気になるのが、出演者や選曲の基準だ。

 

「私が入社した00年頃は、『紅白は新曲をやるから、年忘れはそれ以外をやる』というなんとなくのルールがあったようです。でも時代が変わってきて、ヒット曲が毎年数多く出るわけでもなく、若者にはヒットしてもご年配の方は知らないということもあります。『年忘れ』では、幅広く皆さんが知っている曲をやる。昨年、一昨年と同じ曲を歌っていただくとしても、『この人はこの曲だよね』とか『大晦日はこの曲だよな』という曲を、極力選んでいます。出演者の方々も、1年の締めくくりとして思いを乗せて歌われている。『ふだんと違う大晦日には、視聴者の皆さんが聴きたい曲をお届けする』とご理解いただいています」

 

星さんも、大晦日には「年忘れ」で年越しするのだろうか?

 

「『年忘れ』の完パケを納品したら実家の福島に帰るんですが、テレ東は映りません。編集したものを先に東京で見て、実家では『紅白』を見るという謎の習慣になっています(笑)。親と一緒に番組を楽しむためにも、早くネット配信やリアルタイム配信ができるようになってほしいです」

出典元:

WEB女性自身

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