■“頼ること、頼られること”が幸せにつながる
幸せを感じるのは、「舞台に立って、お客さまの笑顔を見られるとき」だという。女優として第一線で活躍し続ける一方で、バレエや瞑想、ファッションを楽しむなど、一人だからこそ自分をいたわることができる自由な時間もある。
「24時間すべて自分の時間なので、自由は自由ですよね。ただ、私たちみたいな『おひとりさま』で自由な存在って、親の介護などを受け持つことができるとも思うんです。既婚の場合は、隙間時間を作りにくいですよね。そんなときに、頼りにしてもらえるのは、ありがたいことだと感じています」
実際に、母親を自宅で介護。そして最期を看取った。
「とても大変でしたけど、母と濃密な時間を過ごせてよかったと思っています。介護中は、区の地域包括支援センターの方々に助けていただいて、人に頼って、親切にしてもらう大切さを知りました。それまでは頼り下手で、恥ずかしいとか、恥をかきたくないと思っていたんです。でも人に『ありがとう』と言えることは幸せなんだと実感しました」
これまでの人生、落ち込むことやつらいこともたくさんあったという。どのように気持ちを切り替えてきたのだろうか。
「なんで自分の中にこんなネガティブなものが生まれるんだろうと思うようなこととか、それなりにいろいろありましたから。でも、すべて自分の栄養になっているし、そういうことを味わえてよかったと思えるようになってきました。ただ楽しいだけの人生って面白くないとも。いいことも悪いと思うようなこともすべて含めて、ちゃんと歩いてきた証拠になっていると思うんですよね」
最後に、日々を楽しく暮らすための秘訣を聞いた。
「少しイラッとするようなことも、ユーモアに変えるように意識しています。とはいえ、これがなかなか難しいんですけどね」
これからも笑顔を大切に、自分なりの道を歩いていく。