鳥羽一郎の衣装は7,500円。6年連続総合司会が語る「紅白」90年代ベスト場面3
画像を見る 99年、中村勘九郎さん、久保純子とともに紅白を盛り立てた総合司会・宮本隆治アナ

 

■“世田谷の家1軒分”小林幸子vs.“瞬間移動だけで600万円”美川憲一「究極の衣裳」対決!

 

紅白を語る上で欠かせないのが、小林幸子と美川憲一の衣裳対決。’94年、’95年と“直接対決”(前後で両者が歌う)もありヒートアップ。宮本さんが印象に残っているのは、’97年の第48回の衣裳対決だったという。

 

「この年、小林幸子さんご自身は衣裳とおしゃっていましたが、我々、スタッフはセット。もはや機械仕掛けの舞台装置となっていた“衣裳”で登場しました。

 

衣装代は歌手の皆さんの自前です。

 

小林幸子さんに『いくらくらい衣装代かかっているの?』と聞きました。さすがに金額までは誤魔化していましたが『うーん、世田谷に家が一軒できるくらいかな』と答えていました。もうウン千万円の世界ですよ。

 

対する美川さんは、この年、プリンセス・テンコーさん監修のイリュージョンを持ち出した。

 

これも美川さんに金額を聞いたんですよ。

 

歌っている最中に、美川さんが瞬間移動するというイリュージョンの権利だけで600万円かかったそうです。それを、たった1日のためだけにお支払いになったわけです。

 

司会ですからどんなときでもミスは許せませんが、本番前にお二方の紅白にかける一曲にかける“覚悟”とそれにかかる金額を聞いてしまったら、とても平常心ではいられません。

 

私の進行のちょっとしたミスで小林さんの機械仕掛けに狂いが生じたり、美川さんのイリュージョンが失敗におわったりするかもしれない。

 

あのときの衣裳対決は、今思い出しても、冷や汗が出るほどです」

 

(取材・文:山内太)

 

【PROFILE】

宮本隆治(みやもと・りゅうじ)

1950年、福岡県北九州市生まれ。慶大文学部卒業後の1973年にNHK入局。「NHK歌謡コンサート」「NHKのど自慢」などの看板番組を担当。「紅白歌合戦」では、1995年から6年間連続総合司会を務める。2007年、エグゼクティブアナウンサー職で退職し、フリーに。2009年11月には「天皇陛下御在位二十年記念式典、並びに国民祭典」の司会、2019年4月には「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」の司会を務めた。

 

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出典元:

WEB女性自身

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