――うまいですね。外食したときに美味しかった料理を参考にするそうですが。
レミ そう。箸袋あるじゃない。店員さんに「えんぴつ貸してください!」って…箸袋にアイデアを書いてポッケにいれる。
――調味料や具材とか料理に何が入っているかなど、お店の人に聞いたりするんですか。
レミ 食べて美味しいときには厨房まで行って「これ誰が作ったの?」って。でも教えてくれないときもある。
――食べただけで何が入っているか分かるものなんですか?
レミ 年をとるとだんだん分かってくる。海外に行ってさ「美味しかったな」と思うと、時差ボケもお構いなしに空港からすぐにスーパーに直行して、食材を買ってベロが忘れないうちに作っちゃうね。
――レミさんの新作料理を最初に食べるのは和田さんだったそうですが、その和田さんがお亡くなりになって5年が経ちます。現在はどのような心境ですか?
レミ 和田さんがいなくなっちゃって今まで私の気持ちは「宙ぶらりんでフラフラフラフラ私ひとりひとり」って思ってたんだけど、今朝5時頃に目が覚めてさ、手元にあった出たばっかりの和田さんの復刊した本『わたくし大画報』を読んでいたの。ふだんなら全然読まないのに。そうしたら私のことがいっぱい出て来て、和田さんに会ってる気がして。本を読んで「ここに和田さんがいた!」って思えたの。
――和田さんとの思い出がよみがえって来たんですね。
レミ そう。生前にね、和田さんの展覧会があったの。そのとき作品のタイトルに「知らぬがイム」って書いてあったから私が和田さんに「ガイムってなんのこと?」って聞いたの。そしたら和田さんが、みんなを集めて「レミがこれを『知らぬがイム』って言ったよ」って大笑いされて。「知らぬがイム」って何かというと「知らぬが仏」だったの(笑)。和田さんはいつも私のことを面白がってたみたい。
――レミさんのように日々の生活を明るく元気に過ごすにはどうすればいいか読者になにかアドバイスをいただけますか?
レミ 食事で栄養をとって自分が元気だと気持ちが前向きになる。だから五大栄養素の炭水化物とかミネラルとかたんぱく質とか「ちゃんととってるかな?」と思って過ごす。「今日ちょっとたんぱく質がたんないな」と思ったら納豆食べるとかさ。体が元気だったらどんどん楽しくなる。前向きな気持ちは体から来ると思うのよね。だから絶対に元気じゃないとダメ!
レミさんの新著には、時短、簡単、だけどすこぶるおいしい自炊料理がたくさん。毎日の食事を「一人ごはんは楽しい!」にきっと変えてくれるだろう。
(取材:インタビューマン山下)