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料理歴50年の料理愛好家で知られる平野レミさん。最愛の夫であるイラストレーター・和田誠さんを亡くされて5年が経つレミさんは、ご自身と同じような境遇の方に「料理を作る喜び、食べる楽しさを知って欲しい」と言う。

 

そこで今回は毎日を楽しくする、ひとり分の自炊ごはんの極意を聞いた。

 

――自炊ごはんを作るときに心がけていることはありますか?

 

平野レミ(以下・レミ)ひとり分作るのはね、材料費が高くつくの。だから私は3、4人分作っといて冷蔵庫や冷凍庫に入れて、ひとり分ずつチンして食べることもあります。だからみんなの自炊を応援したくて『平野レミの自炊ごはん』という本を出したのよ~笑。

 

――自炊ごはんの良さはどんなところですか?

 

レミ 早くできる、調味料も少ない、材料も少ない、でも美味しい。自分でお料理作って自信がつくとね、よその料理なんて食べられなくなるのよ。お茶一杯だって自分で急須に葉っぱ入れて熱湯を注いでいれたお茶と、買ってきたお茶では全然違うし。その幸せ感を知っちゃったらね、自炊が最高に思える。

 

――時間がないときやズボラな気分のときに最適な自炊ごはんは?

 

レミ エノキ料理。エノキの堅いところを取っちゃってね。フライパンにバターひいてエノキを広げてべたっと押しながら焼くだけ。それでポン酢つけて食べたら凄くうまい! それぐらい簡単なのでも料理になるのよ。

 

平野レミさんが自炊本を!「和田さんがいなくなって気持ちは『宙ぶらりんでフラフラ』」から立ち直れた理由
画像を見る ズボラな気分のときのエノキ料理(撮影:邑口京一郎)

 

――体調を改善させたいときに作るメニューは?

 

レミ リコピン鍋がいいんじゃない? トマトやにんにく、鶏もも肉、玉ねぎとかいっぱい入ってるから栄養が取れる。最後の〆にお餅を入れ和風とイタリアンの合体……。うどん入れても美味しいしね。

 

平野レミさんが自炊本を!「和田さんがいなくなって気持ちは『宙ぶらりんでフラフラ』」から立ち直れた理由
画像を見る リコピン鍋(撮影:邑口京一郎)

 

――鍋なんで消化もよくて体に優しいですよね。

 

レミ そう。一人暮らしの方だと自分の体は誰も守ってくれないから自分で守らないと。死ぬのも怖いし病気になるのもいやじゃない。自分が与えられた肉体を大事にしなかったらもったいないよね。だから健康に気づかって栄養をしっかり取る。

 

――自分へのご褒美や機嫌を取りたいときに作る料理は?

 

レミ 北京ダックじゃなくて『北京豚(トン)』。北京ダックってアヒルの皮をくるんで食べるじゃない。私はその皮の代わりに豚バラでやるの。北京ダックの何が美味しいかというと自家製のタレなのよ。そのタレを私がいろんなものを入れて作ったんだけど湯がいた豚バラに私のタレをつけて食べると本格的な中華味でホントに美味しいのよ。

 

平野レミさんが自炊本を!「和田さんがいなくなって気持ちは『宙ぶらりんでフラフラ』」から立ち直れた理由
画像を見る 北京豚〔トン〕(撮影:邑口京一郎)

 

――北京ダックを包む皮を春巻きの皮にしたことで料理作りが一気に簡単になりますよね。

 

レミ 北京ダックを包む白い皮はカオヤーピンていうんだけど、私の北京豚(トン)は春巻きの皮でやるの。今から30年ぐらい前にカオヤーピンなんてその辺に売ってないし「春巻きの皮でできないかな」と思って。それで春巻き屋さんの工場に「春巻きの皮って生で食べれますか」って電話したら「生で食べれます」って。「ほんと!? 嬉しい!」ってなって。それから私は春巻きの皮で代用してどんどんやるようになって。そしたら今、パッケージに「生で食べれます」って書いてあるのよ~(笑)。

 

――春巻きの皮はカオヤーピンの味に似てるんですか?

 

レミ そっくりよ。豚肉じゃなくて鶏肉でもやったりするんだけど、アヒルじゃなくて鶏肉でペテンにかけちゃうから北京ダックじゃなくて「ペテンダック」ね(笑)。

 

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出典元:

WEB女性自身

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