■電動自転車で転倒し骨折。医師が骨をバキンと……
「むしろ激痛体験ならば、その後の骨折時のほうが衝撃でした」
顔面痙攣の症状から解放された高樹さんは、’09年には芸能活動を再開。その後’13年には同じ年のIT業界のエンジニアの男性と再婚し、公私ともに順調そのものだったが、大きなアクシデントに見舞われたのは’18年のこと。
電動自転車で走行中に、「ハトを避けようとして」転倒。肩から落ちたため鎖骨にヒビが入った状態で救急外来を受診した。
「このときわずかに(骨は)つながっている状態だったのですが、整形外科医の先生が『ここだね』と、患部を確認するなり素手でバキン! とへし折ってくれたのです。麻酔もなく息が止まるほどの激痛でした。『中途半端につながっていると、オペできないから』ということで。私は幼いころから、自転車で有刺鉄線に突っ込んだりと激痛体験はあまたありますが(笑)、あんなに痛い思いは初めてです」
その後、緊急手術に。骨をつなぐため鎖骨の上から切開してプレートを挿入し、十数針を縫う大けがだった。
「今でもデコルテが大きく見える衣装はNGです」と淡々と語る高樹さんだが、暗くはならない。
「私を強くするための必然だったのだと。多少の痛みを経験したほうがその後、生きやすくなります」
自殺者が後を絶たない悲しい世相だが、高樹さんは絶対に自ら死を選んではダメだと語る。
「人間、超えなければいけない病やけががあるのかも。試練を超えたら、めちゃくちゃ強い自分に出会うことができますよ」