(写真:高野広美) 画像を見る

『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)で3年連続ファイナリストとなり2021年には2位の好成績を収めている実力派コンビのAマッソ(加納・むらきゃみ)。同コンビのネタを書いている加納愛子さん(35)はネタの台本だけにとどまらず、小説、エッセイ、ドラマの脚本など執筆活動でも活躍されています。

 

今回、加納さんは初の中編小説集『かわいないで』(文藝春秋)を刊行。執筆活動や下済み時代のお話、お笑いと執筆の仕事の違いや住み分けについてなど多岐に渡ってインタビューマン山下が聞きしました。

 

■最新作の主人公はお笑いライブの制作スタッフ

 

ーー今回の著書は中編小説が2作品あって、そのうちの1作品「黄色いか黄色くないか」はお笑いライブの制作会社の話がメインとなっています。作品内の制作会社に似た『K-PRO』という実在する会社がありますが。

 

加納 まさにそうです。

 

ーーAマッソも同会社のお笑いライブに出演しているので実体験をもとに書かれたんですか?

 

加納 実体験ではないんです。けどスタッフさんの中に何人か仲がいい子がいてモチーフにしてます。別に話を聞いてたわけではないんですけど、この子やったら… 見たいな感じで勝手に想像して書きました。

 

ーーこの人なら、こんなことを思ったり言ったりするんじゃないかという想像の世界だったんですね。

 

加納 そうですね。ちょっと理想も込めながらって感じです。

 

ーー普通なら想像にしても芸人目線の方が書きやすいように感じますがスタッフ目線にしたのは、なにか理由はあるんですか?

 

加納 芸人が芸人の話を書くのはいくつか(作品が)あって、自分の世界を書く上で「かぶらんように」というのもあったし。後は女芸人を出さないと嘘っぽくなるなと思ったんですけど、女芸人を書いてしまうとジェンダーの悩みみたいな感じになって「趣旨がズレるのかな」と思って。それで書くなら男芸人かスタッフかというイメージだったんです。

 

ーー作品に登場する制作スタッフが高校時代にお笑いライブをよく見に行っていたという話があります。加納さんも学生時代にお笑いライブを見に行ってたんですか?

 

加納 行ってないです。小学生の時に『吉本新喜劇』を見に行ったぐらいなんでお笑いファンではなかったですね。

 

ーー作品内ではライブを見に行って1番前の席に座るときは舞台にパンツを見せないように配慮してスカートの丈を伸ばしていたという話がありました。女性のお客さんのあいだではそういったマナーみたいなものがいくつかあるんですか?

 

加納 それは想像です(笑)。

 

ーーえ!? お笑いファンの方に聞いたとかではなく。

 

加納 聞いてないですね。お笑いという業種に対して忠誠心が高い子って「どういう行動をとるかな」って考えたらそんなこともあるのかなと。

 

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出典元:

WEB女性自身

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