■尖った態度でディレクターにどつかれた
ーー芸人の仕事と書く仕事をそういった感じで使い分けているんですね。メディアに出始めの頃は尖った芸風で失敗もしたそうですが。
加納 若手のネタの勝ち抜きバトルの番組で1位になったら上の時間帯の番組に出れるみたいなのがあって。その番組で優勝したときに私がテンション低めの「イエ~い」みたいなリアクションで、ガッツポーズをしなかったんですよ。そしたら収録が終わった瞬間にディレクターさんに「すかしてんじゃねぇよ!」って台本でバーンってどつかれて。それはめちゃくちゃ鮮明に覚えてますね。
ーーいつぐらいの話ですか?
加納 7、8年前ぐらいです。それでそのディレクターさんと3年ぐらい前に一緒に仕事をすることになったんですよ。そしたらその人がプロデューサーに昇進して、えらくなってたんですけど「加納さん、お願いします」って頭を下げてきて。「こいつ!」って(笑)。なんかすごい「芸能界やな」と思いました。
ーーそのスタッフさんは当時のことは触れてこなかったんですか?
加納 たぶん覚えてないと思います。いろんな若手に怒鳴るので有名な人なんで。
ーー加納さんからも言わなかったんですか?
加納 言ってないです。私は「あのときはすいません」という気持ちなんで。
ーーその頃はお笑いだけでごはんが食べれてたんですか?
加納 いえ。コロナ禍に入る前の2019年ぐらいまでは食べれてないです。その頃が1番ライブもなくなって「どうしよう」って感じで。それでネタだけじゃなく「やれることはなんでもやろう」みたいな感じでしたね。
ーーもともとネタ以外のバラエティ番組の仕事もやりたいという気持ちはありましたか。
加納 テレビは好きなんで出たくはありました。