《苦節30年→韓国で大ブレイク》歌心りえさん 声帯を痛め喉が血だらけに…“どん底”を救った家族の言葉
画像を見る マイクを握る歌心さん。夫が営む下北沢の音楽食堂「空飛ぶこぶたや」にて

 

■韓国でのブレーク前に歌い方を変えていた

 

「じつは声帯を壊す前、歌うと喉に引っかかる感覚があって『この歌い方を続けてはいられない』と感じていました。以来、それまでの力を込めた歌い方から、柔らかさも意識する歌い方に変えたんです。録音を繰り返し聴いて、改善に取り組みました」

 

そして昨年、韓国へ渡るきっかけが訪れる。

 

「韓日歌王戦に出場する前、日本でトロット・ガールズ・ジャパンというオーディションへのオファーがありました。一応歌手としてデビューしていたので、若手が多い場に参加するか最後まで迷ったのですが……。結局出てみることに。最年少は12歳で、ほかの出場者も若い人ばかり。もちろん私が最年長でした(笑)」

 

この挑戦により、歌心さんは見事日本代表に選出され、韓国で大ブレークすることになる。

 

「歌王戦の出演者はすばらしい方ばかりですし、正直、ここまで反響があるなんて驚きました。娘は『私のお母さんは歌心りえ』なの、と学校で自慢しているようでほほ笑ましいです。いっぽう、母や姉は『マスコミは、これまでを“無名時代”と言うけれど、私たちはりえを無名だと思ったことは一度もない』と変わらぬ愛で応援してくれています」

 

また、年齢にとらわれず挑戦する姿勢について、歌心さんは次のように語る。

 

「私は『たゆまざる前進』という言葉を大切にしています。人間だれしも、心のアンテナに触れる場面ってあると思うんです。それがどんなきっかけになるかわからないけれど、ふだんから目の前のことに向き合って、今あるチャンスは逃さない。やりたいと少しでも思ったら、取り組んでほしいです」

 

番組出演のあとは、韓国で彼女をクローズアップした番組も制作された。それを追うように、日本での番組出演も増えている。歌心さんは、この大ブレークにもかかわらず、常に自然体だ。

 

「ファンが増えていることはありがたいですが、直接お会いしていないので、どこか実感がわかないです。皆さんに直接会うべく、韓国でのソロコンサートや日本全国ツアーが当面の目標です。おばあちゃんになるまで歌っていたいし、長年の夢である『紅白歌合戦』にも出られるとうれしいですね」

 

肩肘張らず、ナチュラルな生き方、謙虚な姿勢が垣間見える歌心さん。それでいて、歌への飽くなき情熱は青い炎のようだ。それが続けられるのも家族のおかげ、と言い切る歌心さんの笑顔が印象的だった。

 

現在、51歳。心を揺さぶる歌声と、年齢を重ねてもなお挑戦を続ける彼女の姿は、多くの人々に勇気を与えてくれるに違いない。

 

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