■「恵さんとは息子同士が同じ学校に通い、PTAも一緒」
翌日から謹慎生活に入ると毎日寮と高校の往復生活に。休みの日は寮の近くのベンチで一日中涙を流して過ごす日もあったという。そんな松本に声をかけたのが事務所の後輩・中山秀征(57)だった。
「中山さんは何度か泣いている私の姿を見ていたそうで、ある日“歌手班は厳しいと思うのでバラエティー班に移ってきませんか”と声をかけてくれて。渡辺プロのバラエティー班は当時出来たばかりでしたが、中山さんやホンジャマカさんなど若手タレントが月一回ライブをやり、コントやセリフの勉強会などもやっていました。
歌手を目指して上京してきただけに、戸惑いもありましたが、バラエティー班に移り、必死で中山さんたちについていきました。当時から一人しゃべりの組み立て方は恵(俊彰)さんがダントツに面白くて。石塚(英彦)さんはもともと劇団にいたこともあって芝居の台本を読むのが上手い。中山さんは歌もしゃべりも上手く、彼の周りにはいつも人が集まり笑いが絶えなかったです」
その後、1990年代には『進め!電波少年』(日本テレビ系)をはじめ人気番組の司会やレギュラー出演を務め、明るく親しみやすいキャラクターで人気を博すことに。1998年には俳優・本宮泰風(53)と結婚。現在までに女優やコメンテーターなど幅広い分野で存在感を示している。そしてこれまで松本を支えてきたのはやはり事務所の仲間たちだった。
「恵さんは息子同士が同じ学校に通っていてPTAでも一緒でした。家族ぐるみの付き合いですね。石塚さんとは今も座長ライブに出させてもらい、かれこれ40年来の付き合いです。家族にも言えないことやマネージャーにも相談しづらいことをまず中山さんに聞いてもらい、私の目線になって指示、指導してくれています。みなさん家族のような、兄弟のような感じですね」
ワタナベエンタ―テインメントの前身となる渡辺プロダクション時代からすでに40年以上も所属する松本は事務所の顔の一人。しかし彼女にも恐れる大先輩が――。
「デビュー当時から中尾ミエさんが怖くて(笑)。礼儀作法に厳しく、当時から事務所に行くと真っ先に挨拶に行き、とにかく失礼のないようにしていました。社員もタレントにとってもピリつく存在です。中尾さんには“新曲の譜面が前夜に届いても翌日の収録には歌えるようにしときなさい“”何事も出来ないと言わない“と教えられました。長きにわたって色々な場面でお会いしていますけど、本当にここ10年くらいですかね。中尾さんに話しかけられるようになったのは(笑)。中尾さんは私の旦那の兄・原田龍二さんと一緒に温泉へ行ったりしている間柄でもあるので、私のことも気にかけてくれて、いまでは家族でお世話になっています(笑)」
後輩たちとの交流も盛んにおこなわれ、背中を押してもらうこともある。松本いわく“事務所全体で仲がいい”と胸を張って言う。
「これからはチャンスがあれば、夢半ばで折れてしまった歌の方も一生懸命やりたいと思っています」
6月18日から22日まで東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールCにて、スペシャルコンサート『ワタナベ25thコンサート ハッピーバースデー&サンキュー』を開催。キャスト/新木宏典、大久保祥太郎、(19日,20日,22日のみ出演)、柏木由紀(18日,19日のみ出演)、斎藤瑠希、中尾ミエ、中山秀征、新納慎也(18日,21日のみ出演)、望海風斗、東啓介、松本明子、真飛聖(21日のみ出演)、Little Glee Monster
