■5年のブランクは大きく…山城新伍さんからダメ出し
――作家の方が全部話をまとめてくれたんですね。その方には感謝ですね。ロッチを結成した当初はどうでしたか?
コカド ネタが1本しかなかったんですけど、コンビ組んで1カ月後ぐらいにネタ番組に出れたんですよ。
――いきなりすごいじゃないですか。
コカド その番組の審査員に山城新伍さんがいたんですよ。それで僕らのネタの感想を聞かれた山城さんが「設定とか発想は凄くいいんだけど。お前が悪いんだ!」って中岡君を指さして。
中岡 「お前が足引っ張ってんだ!分かってんのか!」って言われて。
コカド 山城さんが中岡君にキレたんです。やっぱり中岡君は工場で5年働いてたブランクがあったから…それを山城さんが見抜いたんですよ。ほんで中岡君も芸人の世界に戻って来て「これからやるぞ!」ってときにそんなこと言われたからちょっと落ち込んで。
中岡 自分では声を出してるつもりやのに「出てへん」って言われるし、ネタも絶対飛ばすし。あれ?ってなって、イップスみたいになっちゃったんですよ。
コカド 中岡君の声が全く出てないんですよ。コントをやってる隣の僕も聞こえるか聞こえへんぐらいの声のちいささやからお客さんに全然聞こえてないと思います(笑)。
そこから自信をなくしたのか、中岡君が1年間ネタをちゃんとできなくなって。ネタを間違わずに7割できたら「よかったな~今日はちゃんとできたな!」ぐらいの。それで仕事も何にもなくなって。
中岡 こんだけネタを覚えて練習して本番迎えて「声出てない」やら、セリフ飛ばしてるやらが1年続いたら「俺は多分コントができない体になってる」ってコカド君に言いました。それで解散って言われるのかなと思ったら「じゃあ読むネタ考えるわ」って言うてくれて。僕は手紙とか読むだけでいい、みたいなネタを作ってくれたんです。
――優しいですね
中岡 その手紙のネタも紙を持ってる手が震えるんですよ。だから同じ行を読んだりするんです(笑)。
コカド でもその読むネタがウケたんですよ。それで読むネタを5本ぐらいやったんです。そしたらウケるから中岡君も自信がついてきて声が出るようになってきて。そこからちゃんとネタができるようになりました。
