「夫を殺害した犯人が心神喪失で不起訴に…」漫画家・森園みるくさんが語った15年前の事件当日の後悔と「これからの夢」
画像を見る 漫画家のほか、最近は占い師の活動も行う森園みるくさん

 

■人生後半の目標「犯罪被害者の遺族の力になれたら」

 

森園さんをどん底に突き落とした事件から15年――。当時を振り返り、森園さんは言う。

 

「日本でも、想像もできないような凄惨な事件が増えていますよね。被害者にはなんの落ち度もないのに、ある日突然、まったく知らない他人によって家族の命を奪われて……。それで、泣き寝いりなんてできないですよ!

 

私の場合は、自分を責めて眠れない日々が続いたとき、家族や霊媒師さん、いろんな方の助けで救われることもありました。大学で仏教の講座を受けたり、お寺にも通いました。夫の最後の言葉を聞きたくて、恐山で有名なイタコに会いに行ったことも」

 

自分が経験したことを、同じような立場に置かれた人々のために役立てたい――。事件から時が経つほどに、その思いが強くなっているのだという。

 

「事件当時、私と同じような経験をした人とつながりたくて、そういった活動をしている団体をネットで検索したんです。アメリカには、みんなで話すことで心を癒す『グリーフケア』のような活動を行う団体がいくつもあるんですが、日本にはなかった。被害者の会があっても『○○事件の被害者の会』といったように、一つの事件に特化したものばかりでした。

 

辛いときに、何かにすがるような思いで、誰かと気持ちを共有したいけど、まわりに家族が殺された経験を持つ人なんて、そうそういませんから。心の奥深いところでは、誰ともつながることができず、被害者遺族はとても孤独なんです」

 

痛ましい事件をニュースで見るたび、決して報じられない犯罪被害者の家族のことが心配になると森園さんは言う。

 

「救うなんて大そうなものではなく、ただ気持ちを共感したり、情報を共有できる場所を提供できたら、と思うようになりました。犯罪に強い弁護士さんや、事件被害者の心のケアができる精神科医の先生に監修してもらって、そういった活動を、これからの人生の目標にしたいと思っているんです。

 

こうしてメディアで発信することで、『私も!』という方がいらしたら、一緒に行動を起こしませんか?

 

というより、自分でゼロから団体を立ち上げるのは労力がいるので、誰かに団体を作ってもらって私を誘ってもらいたい、というのが本音でもあるのですが(笑)」

 

森園さんは、今まで事件に関する取材はほとんど受けていなかったが、犯罪被害者の家族への思いを伝えたいと、今回、取材に応じてくれた。時折冗談を飛ばしながら当時を振り返り、胸の内を語ってくれた森園さんに感謝申し上げたい。

 

森園みるく/山口県周南市出身。1981年に小学館より少女漫画家としてデビューして以来、レディコミからギャグ漫画まで幅広く執筆。村崎氏の生前や死後に体験した不思議な出来事を描いた『私の夫は突然殺された』(アムコミ)が発売中。11月1日〜12月6日に老舗SMラブホテル「ホテルアルファイン」(ロビー)にて、榎本由美×森園みるくの展覧会「魔女王2人展」を開催。11月1日、12月6日は著者による似顔絵やタロット占いも

インスタグラム:@milkmorizono X:@noritakamilkmor

出典元:

WEB女性自身

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