■「『私たち40周年だね』そう言っているようで」
2003年に美穂さんはフランスに移住後、2014年に帰国。一方、森口さんはタレントとして、そして人気歌手、女優として忙しい日々を送っていた。でも、互いの存在をいつも気にかけていた。
「電話で『久しぶりに食事でもしたいね。時間があったら会おうね』ってたわいのない話をしたんですが……それが最後でした」
訃報は突然だった。森口さんは自身がDJを務めるラジオ番組の生放送中だった。アナウンサーが血相を変えて収録室に飛び込んできてニュース速報を読み上げた。
――中山美穂さんが亡くなりました。
頭が真っ白になった。
「放送は続いていたので『ただ驚いています』と伝えて、『後でゆっくりと美穂ちゃんと私の中で、お話しする時間を作りたいと思います』と言ったのだけは覚えています」
今年、ともにデビュー40周年を迎えた“年下の同期”のことを思いながら、森口さんはこう語る。
「『お互い40周年だね。おめでとう』って祝福の言葉をかけてあげたいなって。実はこの取材があるって知らずに、たまたま引き出しを整理していたら美穂ちゃんのFAXがたくさん出てきたんです。美穂ちゃんも『40周年だね、私たち』って、言っているような気がします。
今年の3月に美穂ちゃんの40周年のボックス(『~Miho Nakayama 40th Anniversary~ 中山美穂「ザ・ベストテン」永久保存版』キングレコード)が発売されました。生前、この企画をすごく楽しみにしていたそうで、たくさんの人に『聴いてほしい』っていう気持ちがあったと思うから、今それを伝えてあげたいんです。この取材を通じて、声を大にして」
そう笑う森口さんの目は涙でうるんでいた。
(取材・文:インタビューマン山下)
画像ページ >【写真あり】今年40周年を迎えた森口博子さん(他2枚)
