2002年『ボウリング・フォー・コロンバイン』、2004年『華氏911』に続き3年の沈黙を破ってこのたびマイケル・ムーア監督最新作が完成! 今度のターゲットは医療問題! そのタイトルは『Sicko』(シッコ)。ん? 何このタイトル? 『Sicko』とは、Sick(病気)から派生したスラングで「ビョーキのやつ」「イカれたやつ」って意味があるそうです。
 CNNで先日、こんなニュースをやっていました。『米の平均寿命、世界42位に後退』。平均寿命の国別比較で、統計局などの調査によると、04年にアメリカで生まれた赤ちゃんの平均寿命は77・9歳だろうとしています。専門家によると、健康保険に入ってない国民が4500万人に上がっていることが主要な原因と、指摘しています。ちなみに平均寿命が最も長いのは、アンドラ公国(フランスとスペインのピレネー山脈にある小国)で、83・5歳だそうです。そう、アメリカという国は日本とちがって国民皆健康保険制度じゃないんですね。じゃあアメリカ人はどうしてるのか? 民間の経営する保険会社に加入するんですが、加入するにあたり審査は厳しいし、加入していざ病気になっても、何かと理由をつけて保険金を支払わないなど、酷い目にあう人がたくさんいるそうです。WHO(世界保健機関)が発表した世界各国の医療制度の機能性、充実度ランキングでは、米国37位と先進国としては最低を記録しちゃってますから!(日本は10位)。
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 そこで、マイケル・ムーア監督は自身のウェブサイトで呼びかけました「保険会社とトラブルになったことがあるか? 保険がないためにどんなことになったか?(中略)なんでも聞かせてほしい」と。すると最初の1週間だけで、なんと2万5000通のメールが寄せられたそうです。例えば、夫は心臓病、自分はガンと闘ううちに膨大な医療費を払うことになり、破産に追い込まれたあげく娘の家に同居するはめになってしまった夫婦や、木材を切ろうとして左手の中指と薬指を切断してしまい、保険未加入のためしかたなく、結婚指輪をはめる薬指だけを選び120万円支払って縫合した男性など、いろんな人々の話が寄せられ、映画にも様々な人が登場します。
 『ボウリング~』では、銃弾を売っていた「Kマート」に突入、被害者の少年たちを連れて行って銃弾販売を中止させたり、『華氏911』ではイラク戦争反対を訴えてブッシュ大統領の再選を阻止しようとしたりと行動を起こしたムーア監督。今回もやってくれてます。9.11で救命作業のため、自らの健康を犠牲にすることになった救命員たちを、必要な者には誰でも無償で医療を提供する国、社会主義国キューバへ、アメリカ政府が渡航を禁止しているキューバへ連れていっちゃいます。9.11テロの現場で粉塵を吸い込んでしまったために気管支をやられ、そのために服用している薬がアメリカでは120ドルするところ、なんとキューバではたった5セント! さぁ無事に一行はキューバから戻ってこられるのか? ドキュメンタリー映画(!?)なのに、笑いがあって、泣けちゃて、考えさせられちゃって、おまけに世界の医療制度もわかちゃって、120分リアル・エンターテインメントしてます!

『シッコ』
8月25日(土)シネマGAGA!他、全国ロードショー
提供・共同配給:ギャガ・コミュニケーションズ×博報堂DYメディアパートナーズ
(C)2007 Dog Eat Dog Films, Inc.

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