Main_3 5月29日公開の映画『スター・トレック』で、主役の若き日のカーク船長を演じている俳優クリス・パイン。ひと足早く公開されたアメリカでは、初登場1位を獲得し、手応えも得ている作品なのに、初主演作品とあってものすごく気合が入っている様子。なんと今年2月から数えて、3度も来日。PRにも一生懸命だ。しかも、ハリウッドスターなのにとってもフレンドリーでかなり好意的。ホテルのインタビュールームに入りなり、ロミヒーたちを満面の笑みで迎え入れてくれました!今回は、『スター・トレック』テレビ版も大ファンだったという、お馴染みヒュー記者の目線から、クリス・パインインタビューの模様をお届けします。

子どものときの『スター・トレック』の思い出を聞いてみると、
「おばあちゃんが(初代カーク船長役の)ウイリアム・シャトナーさんのファンで、とてもよく『スター・トレック』を観ていたもんだから、僕も一緒に観ていたという感じ。でも特にのめり込んだという記憶はないなぁ」
少しも飾ることなく、ざっくばらんに答えてくれた。
両親ともに俳優というサラブレッドの家系に生まれ育ったクリス。しかも、初代カーク船長は父親の知り合い。今回、大役を演じるにあたり、彼に挨拶はしたのか、と聞くと、
「初代船長のウイリアム・シャトナー氏と父は特に知り合いってわけじゃないんだ。コマーシャルを一緒に出たってだけの関係かな。でも、シャトナー氏には、自分が何者かっていう挨拶の手紙を送ったよ。そうしたらちゃんと返事が来て、『ガンバレ、今度一緒に食事しよう』って励まされたよ」
映画の本編でクリスがシャトナーと共演する場面はないけど、かの有名な耳のとがったスポック博士は、新旧の2人の俳優が映画に登場。映画を観たら「似てる~」と声を上げたくなるはず。
ちゃんとイチからオーディションを受けて今回の大役をゲットしたクリス。その経緯を聞いてみた。
「2度オーディションを受けて、1回目は08年の春。それはうまくいかないというか、返事が来なかったんでダメだったんだと思っていたら、その6ヵ月後に、まだ他に良い人がいなくて決まらなかったんだと思うんだけど、もう一度受けたら受かって」
ちなみに、オーディションを突破するコツを聞いてみると、
「僕が出来るベスト・アドバイスは、運は自分でつくることだと思う。自分に合ってない役柄だなーと思っても、とにかくオーディションには出来るだけこまめに出かけて行くこと。自分のプレゼンテーションさえ素晴らしければ、噂が一人歩きするんだ。しばらくしてからでも、『この間のオーディションですごくいい役者がいたよ』と話が広がると思うので、こまめに受けていればひょっとするかも」
Nt6t7384 そんなクリスが“演技”に目覚めたのは、高校生のとき。
「17歳のときに英語のクラスの先生がベケットの舞台『ゴドーを待ちながら』という芝居を読みながら、なおかつ演じるということをやらせてくれて、それが自分にとって大変きっかけというか、(演じるのが)好きなんだなってのがわかった。大学に入ってから、そういう経験に基づいて友達作りのために演劇部へ行って、何となくその辺でうじゃうじゃしてるのが楽しいので、その世界を知っていたというのもあって、親の関係で、そして大学を出てからプロになったんだ」
今回の役どころについて、親からはアドバイスはあったの?
「特にアドバイスは受けていないけど、でも、俳優一家はいわゆるサポートシステムが出来上がってるから楽だよ(笑)。家族の今度の新しい役どころのシチュエーションを説明しても、いちいちどうしてそういうふうになるんだと説明しなくていい。『14時間働いて疲れた』って帰っても、それがどういう意味なのかひと言いえば、撮影で何が行われたかってすぐにわかってもらえるから、すごくいいよ」
それほど、今回の撮影は想像していた以上にハード。以来、アクション映画の主演を務める、トム・クルーズらを尊敬するようになった、とうなずく。
ちなみに、クリスの母親は女優から現在、精神セラピストに転向。癒される毎日を送れていいなぁとうらやましがっていると、
「精神科医の親なんてろくなもんじゃないよ。こっちが『ファック・ユー! 僕のことなんか何Nt6t7416 もわかってないくせに!』って荒れてるのに、『あなたはどうしてそんなに扱いづらくなるの?』なんて、いっつも冷静なんだから最低。姉さんもセラピストだしさ、結構かったるいよ」
ファッキンと右手の中指を立てる悪態は、少年そのもの。
「俳優としてもうひとつ夢が叶うなら、マーティン・スコセッシ監督と仕事が出来たらいいかな。デニーロにしてもアル・パチーノにしても最近ではディカプリオにしても彼が育ててるわけで、役者は監督の前ではすべてをさらけ出すわけだから、さらけ出してもちゃんと守ってもらえて、それでいいんだと思わせてくれる。そういう意味では今回のJJエイブラムス監督も大好き。あと、ゲイリー・オールドマンとも共演したい!」
クリス船長の新エンタープライズ号は、まだハリウッド航海に出帆したばかり。希望あふれる澄んだ青い目は、どこまでも輝いていた。

【撮影:桑原靖(女性自身編集部)クリス・パイン】