スパイク・リー、『ジャンゴ 繋がれざる者』を「先祖に失礼だ」と酷評

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米国でクリスマスに公開されたクエンティン・タランティーノ監督・脚本の『ジャンゴ 繋がれざる者』。ゴールデン・グローブ賞では作品賞を含む4部門に5ノミネートされるなど前評判も上々だったが、映画監督のスパイク・リーは全くお気に召さなかったようだ。

 

『ジャンゴ?』は1859年のアメリカ南部を舞台としたマカロニ・ウエスタン。奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は賞金稼ぎのドクター・キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手で自由の身となる。2人はチームを組み、お尋ね者を次々と始末していくが、そんななか、離ればなれになってしまった妻(ケリー・ワシントン)が極悪白人カルビン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)が経営する農園に囚われていることを知る。ジャンゴは妻を取り戻すためにキャンディに戦いを挑む。

 

スパイク・リーは黒人として自らのルーツに誇りを持っており、この作品における黒人奴隷の描き方に納得がいかないという。Vibeのインタビューでは「コメントはできないね。見に行く気はないから。ただ、1つ言えるのはこの作品には僕の先祖に対する敬意がまったく感じられないってことだ」と静かに語っている。

 

Twitterでも、奴隷制度についてこのようなつぶやきを投稿した。

 

 

「アメリカの奴隷制度はマカロニ・ウエスタンなどではない。あれはホロコーストだ。僕の先祖たちはアフリカから盗まれ、奴隷にされた。僕は彼らを誇りに思う」

 

これに対し、他のユーザーからは「『イングロリアス・バスターズ』は見ましたか?あれもホロコーストを描いたものでした。でもウディ・アレンはこの作品をけなしていたでしょうか」「正しいけど、アフリカ人は清教徒が来る前からアメリカにいたわよ」などリプライが寄せられ、ちょっとした議論になっていた。

 

『ジャンゴ 繋がれざる者』の日本公開日は2013年3月1日。

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