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Rolling Stone

 

音楽誌「Rolling Stone」の最新号の表紙を飾ったのは、あろうことかジョハル・ツァルナエフ被告(19)だった。4月15日に行われた第117回ボストンマラソンのゴール付近で爆破テロを起こし、299名を負傷させ、5人の命を奪った犯人だ。編集部にはボストン市民からの抗議が殺到しており、小売店もこの号の販売を拒否しているという。

 

 

ツァルナエフの記事自体は、「モンスターはなぜ作られたのか」という考察をメインに据えたものとなっている。憎むべきテロリストを表紙に採り上げた理由について、編集者は以下のように声明を出した。

 

「我々の心は、爆破事件の犠牲者の皆さんと共にあります。しかし、今週我々が出版した号のカバーストーリーは、ジャーナリズムの伝統と、そしてRolling Stoneが長年培ってきた、厳粛かつ思慮深い報道姿勢に基づくものです。ジョハル・ツァルナエフは若い。我々の読者層も同じような年齢の若者で構成されています。この事実は、問題の根底に眠る複雑性を調査することが重要であると指し示しているのです。なぜこういった悲劇が起こるのかということについて、より完全な理解を得るために必要なのです」

 

お説ごもっとも、といったところであるが、SNSやニュース記事のコメント欄には

 

「気分が悪くなる」

「つまり、Rolling Stoneが言いたいのは『黙れ、店頭に置け』ってことだろ?」

「記事はまあいいけど、表紙はないよね」

「MTVみたいに、普通に音楽のことだけやってろよ」

 

といった声ばかりが見られる。高邁なジャーナリズム精神も、市民感情を逆なでする以上のものではなかったようだ。

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