ジョニー・デップがピンチだ。製作費1億ドルをかけた最新作『トランセンデンス』は公開週末の興行収入はわずか1,000万ドルそこそこで惨敗。制作総指揮も兼ねた昨年の『ローン・レンジャー』も2億1,500万ドルの予算に対して米国内では8,900万ドルしか稼げず、鉄板コンビであるティム・バートンとの『ダーク・シャドウ』も8,000万ドルに届かなかった。“コストパフォーマンスの低い俳優”に片足を突っ込んでしまっているデップだが、今の地位を築けたのも確かな実力で華々しいキャリアを積んできたからこそ。

 

Rolling Stone誌が、読者投票により決定したデップのベスト映画を発表した。

 

1位は『ラスベガスをやっつけろ』(1998)。デップが大ファンだというゴンゾー・ジャーナリストのハンター・S・トンプソンの同名小説を映画化した作品だ。主演の話が持ち上がったとき、デップは文字通り“飛びついて”、ラウル役を掴んだとか。

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2位はドラッグ・ディーラーのジョージ・ユングをを演じた『ブロウ』(2001)。約800キログラムという途方もない量のコカインを所持していた罪で1994年に投獄された実在の人物を描いている。共演はペネロペ・クルス。ちなみにユング本人は今も服役しており、今年釈放される予定だという。

 

ティム・バートンと初めて組んだ『シザーハンズ』(1990)が3位。ハサミの手を持つ人造人間エドワードが、ウィノナ・ライダー演じる人間の少女キムと恋に落ちる悲しいラブストーリーだ。ゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされたこの役でデップの名は世界的に広く知られることになった。ライダーとは実生活でも交際し、婚約も交わしたが3年後に破局している。

 

4位から10位までは以下のとおりだが、10作中8作が90年代の作品だ。また、個性的ではあるものの普通の人間を演じた作品がほとんどを占めている。ここ最近のデップはインディアンに吸血鬼、おとぎの世界の帽子屋、海賊など、一風変わった役どころばかりを求めている印象がある。そろそろ1人の人間を丁寧に描くドラマで、デップ本来の繊細な演技を見たいものだ。

 

4位『エド・ウッド』(1994)

5位『ギルバート・グレイプ』(1993)

6位『フェイク』(1997)

7位『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003)

8位『デッドマン』(1995)

9位『妹の恋人』(1993)

10位『クライ・ベイビー』(1990)

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