2005年に行われた『卒業』上映会後のパネルディスカッションにて
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ダスティン・ホフマンの出世作『卒業』(1967)を監督したマイク・ニコルズ氏が米国時間19日夜、心不全で急死した。83歳だった。
ニコルズ氏は1931年生まれ。1966年に『バージニア・ウルフなんかこわくない』で映画監督デビューを果たし、翌年の『卒業』ではアカデミー監督賞を受賞した。
妻は3大テレビネットワークの一角を担うABCで、看板キャスターを務めるダイアン・ソイヤー。その関係からか、訃報はまずABCニュースで伝えられた。ニコルズ氏は死の直前まで、ケーブルテレビ局HBOのドキュメンタリーシリーズ「Masterclass」における、マリア・カラスを題材とした新プロジェクトに没頭していたという。
ニコルズ氏はエミー賞、トニー賞、グラミー賞、アカデミー賞という、各分野における最高の賞を授与されたショウビズ界の大立者として知られている。監督としてのみならず、ミュージカルや舞台のプロデューサーとしても優れた功績を残しており、トニー賞の受賞回数は9回にも上る。
映画では、ジャック・ニコルソンやエマ・トンプソン、メリル・ストリープといった大物俳優とよく組み、ストリープをして「彼は私の師であり指揮官、そして王よ」と言わしめた。そんな彼の突然の死をハリウッド中が悼み、有名人が次々とSNSで追悼のメッセージを発信している。葬儀は近親者のみで小規模に行われる予定だという。