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今冬もインフルエンザが猛威を振るっているが、通常65%程度とされているワクチンの有効率が今シーズンは23%前後にとどまっていることが米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)から発表された。米国では肺炎とインフルエンザに起因する死亡率が9.3%にまで上がっているという。
ワクチンが効かないのであれば、何をすればよいのか。アメリカ救急医学会のレイ・ヴァノカー医師が朝のニュース番組「Today」に出演し、今からできるインフルエンザ予防対策を指南した。
1 ワクチンを打つ
現在流行している型にはマッチしないかもしれないが、CDCはワクチン接種を勧めている。入院や死亡につながる重篤な感染症や合併症を防いでくれる可能性があるだけでなく、いつ、ワクチンと同じ型のウイルスが蔓延するかわからないからだ。ウイルスの流行は3月まで続くことが見込まれており、今からでも遅くはない。
2 新鮮な空気を吸う
再循環された空気は健康にはあまりよくない。また日ざしの多い日に窓を開け、外気に触れればビタミンDの恩恵にもあずかれる。ヴァノカー医師は「ビタミンDが少ない人ほど、呼吸器の感染症にかかりやすくなります」と指摘。
3 手を洗う
アルコールを手にもみこむか、温水とせっけんで少なくとも15秒間(「ハッピー・バースデー」を2回歌えるくらい)しっかり洗う。
4 くしゃみや咳をする人の近くでは息を殺す
「くしゃみは細菌の“シャークネード”です」と断言するヴァノカー医師。「シャークネード」とは、超巨大竜巻(トルネード)が無数の人食いザメ(シャーク)を巻き上げながらバカンスを楽しむ人々を襲うという伝説的おバカパニックムービーの題名。くしゃみにはそれほどの勢いと脅威があるという(少々大袈裟だが……)。誰かがあなたの近くで咳やくしゃみをしたら、その人に背を向けて10〜15秒間は息を吸い込まないようにするべきだとか。また、顔を近づけて話す人とは3月までは距離を置こう。
5 鼻周りを温める
鼻をスカーフなどでカバーすれば、飛沫も防げる上にウイルス退治にも寄与するかもしれない。鼻腔から冷たい空気を吸い込むと、鼻内部の温度が下がり、ウイルスの増加を助長してしまうとイエール大学の研究者が発表している。
6 過度のアルコール摂取は避ける
アルコールは免疫系の働きを鈍らせてしまう。
7 激しい運動はやめる
激しいトレーニングをしたアスリートの体は、その後72時間に渡り免疫が下がることがわかっている。
8 具合が悪ければ安静に
これは最も重要なことだ。最近の研究でH1N1型豚インフルエンザが世界的流行の兆しを見せたとき、メキシコシティーで家に閉じこもっていた人々が、ウイルスの拡がりを遅らせ、感染率も下げたことでその流行コースを変えていたことがわかったという。