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(C)The Telegraph

 

1942年、英国の蒸気客船「シティ・オブ・カイロ」は、ボンベイからイングランドへの航行中にナチスドイツの攻撃を受け、多くの人命と大量の銀貨と共に海底へと沈められた。この悲劇から73年。英国のトレジャーハンターが水深5千メートルの海底に眠るこの船の残骸から340万ポンド(約60億円)相当の銀貨を引き上げることに成功した。英テレグラフ紙が報じている。

 

英国財務省は、20人の海洋学者を擁する海底探査企業ディープ・オーシャン・サーチ(DOS)と契約を結び、同船の探索を続けてきた。しかし、タイタニックが眠る海底よりもさらに千メートル深い場所での捜索は難航を極めた。最新鋭のソナーとロボット駆使した末に発見された船は真っ二つに壊れ、海底の泥に深く埋もれていたという。

 

さらにそこから積み荷を引き上げることは、並大抵の困難ではなかったとDOSのスポークスマンは語る。「この水圧と水温、そして度重なる深海へのダイブで、システムは何度も故障しました。これまでの水深3千〜4千メートルでの作業とは、何もかもが違っていたのです」。

 

数々の障壁を乗り越え、ついに銀貨は73年ぶりに日の目を見た。黒ずみ、青く変色した銀貨を目にした瞬間、探査チームは筆舌に尽くしがたい興奮を覚えたという。この偉業は「最も深い場所からの引き上げ」として海底探査史の記録を塗り替えた。