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ペットのチワワを殺処分された家族が、PETAを相手取り900万ドル(約11億円)という巨額の損害賠償を求めて訴訟を起こした。PETAとは「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals)」の略称であり、世界的な動物愛護団体として知られている。一体何が起こったのだろうか。

 

1年ほど前、PETAの職員が野良犬を見つけるためにパトロールしていたときのことだ。トレーラーハウスに首輪をしていない一匹のチワワがいた。職員はこのチワワを野良犬だと判断し、誘い出して捕獲した。

 

しかし、このチワワはバージニア州に住むシンシア・ザラテ・トヴィラという少女がマヤと名前を付け可愛がっていた飼い犬だった。翌日、シンシアとその父親ウィルバーが、いなくなったマヤを探しに動物シェルターに赴くと、マヤは既に不要犬として殺処分されてしまっていたという。

 

マヤを殺したことを認めたPETAに対し、トヴィラ親子は飼い犬を殺されたことによる精神的ダメージを補償するために900万ドルの損害賠償を求めた。

 

訴状によると、マヤは2011年のクリスマスに、ウィルバーがシンシアにプレゼントした犬だったとか。2014年10月18日の朝、父子でマヤのために新しいクッションを買いに出かけた隙に、PETAがマヤを盗み出したと原告側は述べている。

 

バージニア州では保護した迷い犬を5日間生かしておくよう定められているが、PETAはマヤを即日殺処分したため、今年2月に500ドルの罰金が課せられている。この時にPETAは以下のような声明を出した。

 

「職員によりトレーラーパークで拾われた犬は首輪もせず、飼い犬であることを示すものを何も身につけていなかったため、捨て犬と誤認されてしまいました。そして、法律とPETAの規定に反し安楽死させてしまったのです。この悲劇の間違いを引き起こした職員は即刻停職処分とし、その後解雇されています。もう二度とこのような間違いが起こらぬよう、さらなるセーフガードを導入しました」

 

今回、飼い主によって起こされた訴訟に関するPETAのコメントはまだ確認されていない。

 

PETAにはかねてより「保護した動物より殺した動物のほうが多い」という悪評がついて回っている。こういった巨額の訴訟が起こされた場合、原告側を強欲だと非難する声が上がりがちだが、SNSなどではPETAへの不信感からか親子を応援する意見が目立つ。

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