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動物保護団体The DodoはTwitterで「きみはもう自由だよ」と追悼した

アルゼンチンのメンドーサ動物園で飼育されていた国内唯一のホッキョクグマのアルトゥーロが3日、老衰で亡くなった。30歳だった。

アルトゥーロは「世界一かわいそうなシロクマ」として知られていた。アルゼンチンの気温は40度に届くこともあり、北極生まれのアルトゥーロには過酷すぎる環境だった。また、2014年にはパートナーのペルサが病死したことをきっかけに、ひどい抑うつ状態に陥っていたという。彼の窮状を救いたいという数千人が、寒冷地であるカナダへの移送を求めて署名したが、動物園側は高齢を理由にこれを拒否。老化で右目を失明していたアルトゥーロは左目の視覚や嗅覚も徐々に衰え、食欲も減退、晩年はかなり体重が減ってしまっていたという。

そして今月3日、アルトゥーロは息を引き取った。飼育チームは、あまりに苦しむようであれば安楽死も視野に入れていたというが、自然死であったことを公表している。

アルトゥーロが8歳の時に米国から連れて来られた直後から、ホッキョクグマを南米で飼育することに反対する声は多かった。環境保護団体グリーンピースは、高温下の飼育の危険性を訴えて移送を求めたが、園は「手厚くケアをしているから問題ない」として拒否している。

メンドーサ動物園は、昨年12月から今年5月の間に60頭もの動物が死亡しており、現在閉園中だ。園側はバクテリアの大量発生と過密飼育が原因であるとしている。

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