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(写真:Shutterstock/アフロ)

 

85年のキャリアを持つ米国のベテラン声優、ジューン・フォーレイが26日、ロサンゼルスの病院で死去した。99歳だった。

 

12歳のときにラジオドラマに出演したことを皮切りに、声優としてのキャリアをスタート。アニメーション作品への初出演は、フォーレイ本人によるとディズニー映画『シンデレラ』の継母が飼っている意地悪なネコ、ルシファーだったという。その後はアニメーション映画、実写映画のボイスオーバーを数多く務めた。可憐な少女から魔女や老婆までを自在に演じ分け、「カートゥーンの女王」の異名をとった。

 

代表作には、1980年代に放映されたディズニーアニメ『ガミー・ベアの冒険』のグラミー、『ルーニー・テューンズ』のトゥイーティーの飼い主グラニーなどがある。テレビシリーズ『トワイライトゾーン』の第5シーズンではエピソード「Living Doll」で喋る人形ティナを演じた。

 

アニメーション業界の地位向上にも尽力し、国際アニメーション映画協会のハリウッド支部(ASIFA-Hollywood)を設立、1972年には”アニメのアカデミー賞”と呼ばれるアニー賞の創設に一役買った。

 

声優であることに大いなる誇りを抱いており、大作への有名俳優の起用について苦言を呈したこともあった。『シュレック』では、マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィー、キャメロン・ディアスが主要な役を担い、フォーレイら声優たちは脇役しかあてがわれなかった。フォーレイは「キャメロン・ディアスが『シュレック』1本で1,000万ドルのギャラをもらう一方で、1年に15,000ドルを稼ぐために死にものぐるいでがんばっている声優がいます。多くの若手声優は家族を持ち、家も買ったけれど、仕事をしてもまったく実入りがないのです。人間的にも素晴らしい人たちなのに」とロサンゼルス・デイリー・ニュースに語り、声優の置かれている現状を訴えた。

 

2012年には、『ガーフィールド・ショー』でエミー賞を受賞。当時彼女は94歳で、受賞者の最高齢記録を更新した。

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