1999年、最後の共演作『アイズ・ワイド・シャット』のPRで (写真: ロイター/アフロ)

 

昨年からハリウッドを席巻している「#MeeToo」だが、良い意味で蚊帳の外にいる女優がニコール・キッドマンだ。アンジェリーナ・ジョリーや、レア・セドゥといった主演級の女優が次々とセクハラ被害を告白する中、キッドマンはこれまで声を上げずにきた。これは忖度などではなく、実際に他の女優と比べて性被害の経験が少なかったためだ。その理由を、New York Magazineに寄稿したエッセイで綴っている。

 

「私は若くして結婚しました。私は愛のために結婚しましたが、非常に力のある男性と結婚したことは、私をセクシャルハラスメントから守ってくれることになりました。働きながらも、かなりしっかりと保護されていたのです」

 

力のある男性、とは前夫トム・クルーズのことだ。映画『デイズ・オブ・サンダー』(1990)での共演をきっかけに、キッドマンは22歳でクルーズと結婚した。当時既に『トップガン』や『7月4日に生まれて』に主演し大スターとなっていたクルーズの名声は、オーストラリアからやってきたばかりの駆け出しの女優を、ハリウッドの“洗礼”から守る役割を果たしたのだ。

 

しかしながら、結婚は2001年に破綻。その後、彼女は「成長すること」を強いられたという。「もちろん私にも#MeTooの瞬間はありました──しかも幼い頃から! けれどそれら(の体験)を記事にして発表したい? いいえ。それらは私の演技として出てくる? 絶対に、いいえです。私はオープンで生身(の人間)です。ですから、私はこうした体験と感情をよりよく利用したいと考えています──これはセクシュアルハラスメントに限定された話ではありません。何かを失うこと、死、人生でおこる一通りのことについて話しています。しかし、それは適切な人の手によって行われるべきであり、(それが守られるのであれば)虐待は起こることはないでしょう」