滅多にテレビに姿を見せないボブ・ディラン(77)が、人気のトークショーに出演した。これだけでも驚愕に値するが、“トーク”を見せる番組であるにも関わらず、何と一言も発することなく退場してしまった。
ジミー・ファロンが司会を務める「THE TONIGHT SHOW」の冒頭。エリック・サティのジムノペディ第1番が流れる中、薄暗い客席に座るファロンのもとへ、ウイスキーボトルを手にしたディランが歩み寄る。グラスをファロンに手渡し、ウイスキーを注いで乾杯。2人でウイスキーを楽しみながら、なぜかサーカスの鑑賞がスタートする。無言でグラスを傾けつつ、サーカスに見入るディランとファロン。サーカスはクライマックスに達し、感極まったファロンはスタンディングオベーションを贈るが、ふと気づくと横に座っていたディランが消えている。
「ボブ? ボブ? ボブはどこへ行ったんだ?」とうろたえるファロン。
サーカスの出演者に「そこには誰もいなかったわよ」と指摘されると、「……あのウイスキー、何が入っていたんだ……」。そしてウイスキーにスポットが当たり、スキットは終了する。
言うまでもないが、これはボブ・ディランのオリジナルウイスキー「Heaven’s Door」のプロモーションだ。ディランは2015年に「bootleg whiskey」という商標を取得し、酒造家のマーク・ブシャラ氏と提携、“テネシー・ストレート・バーボン、ダブル・バレル・ウィスキー、ストレート・ライ・ウィスキーの3種の発売を今年4月に発表していた。価格帯は1本50〜80ドル(約5600円〜9000円)だが、限定の「テネシー・ストレート・バーボン10年」が130ドル(約14700円)で仲間入りした。オフィシャルサイトで販売中だが、残念ながら日本からの注文は受け付けていない。