米インディアナ州にあるコミュニティ・スクールの校長が23日に逮捕された。両親のいない生徒の病気を治療するため、違法行為を行ってしまったというのだ。
NBC NEWSによると、エルウッド・コミュニティ・スクールの校長キャシー・スミザーマンは今月9日、「喉が痛い」と学校を休んだ15歳の男子生徒を救急センターに連れて行った。連鎖球菌性咽頭炎の可能性があったためだ。しかし、彼女は生徒の保護者ではないため、治療を拒否されてしまったという。そこで彼女は生徒を連れ聖ヴィンセント病院へ移動。自身の息子の名前を生徒に名乗らせ、そして自身の保険を使って生徒を診察してもらった。地方検事はNBC NEWSに、スミザーマンの一連の行為が保険詐欺、個人情報詐称、保険申請詐欺にあたると話す。
この生徒は両親がおらず、親戚の世話になっているという。宣誓供述書によると、スミザーマンは以前からこの生徒を気に掛けており、服を買い与えたり、部屋を掃除したりと、他のクラスメイトと同様の学生生活を送れるよう手助けしていたそうだ。一見、特別待遇ではないかと勘ぐってしまうが、この学校に通う生徒の75%は、貧困の指標である無料、または定額の給食を受ける資格があると地元紙The Herald Bulletinは報じている。スミザーマンと学校職員は、日ごろから生徒の私生活にまで気を配り、床に寝ていた生徒にはベッドを与え、石鹸を持っていなかった生徒にはバスグッズを提供するなどしていたという。
スミザーマンは500ドルの保釈金を払い、現在は保釈されている。地方検事は、「実刑にはならず、罰金と奉仕活動が課されるでしょう」とコメント。
エルウッド・コミュニティ・スクールは24日、「スミザーマンは不幸な過ちをおかしました。私どもは、彼女のこの行動が子どもの健康を危惧してのものだったと理解しています。彼女も間違ったことをしたとわかっています。私どもは彼女をサポートし続けてまいります」との声明をThe Herald Bulletinで発表した。