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米国で17,700本もの手指消毒剤を買い占めた兄弟が14日付けのNew York Timesに取り上げられ話題となっている。「最も嫌われているアメリカ人」の仲間入りをしたこの兄弟は大量の消毒剤をどこにも転売することができず、結局チャリティに寄付することになったという。

 

米国で初めて新型コロナウイルスによる死者が出たのは今月1日のことだった。このニュースを聞いたテネシー州在住のマット・コルヴィンとノア・コルヴィンの兄弟はSUVを駆って消毒剤買い占めの旅に出た。ウォルマート、ステイプルズ、ホームデポなど、片端から量販店に寄り、消毒剤売り場を空にして回った。ケンタッキー州にまで遠出して主な町の在庫を全て買い占めたという。

 

兄弟はまず手に入れた300本に8ドルから70ドルの値を付けて米Amazonに出品して売りさばいた。「イカれた金だが、コロナウイルスで儲けてるヤツは他にもゴロゴロいた」とコルヴィン兄弟は話す。

 

しかしその翌日、衛生用品の高額転売を厳しく取り締まり始めたAmazonにより、兄弟の出品は全て取り下げられた。公衆衛生が危機的状況にある現在、マスクや消毒剤などの高額転売には非常に厳しい目が向けられている。オークションサイト「e-bay」もそれらの出品を禁止。彼らの手元には行き場を失った17,700本の消毒剤が残された。

 

New York Timesがコルヴィン兄弟の“窮状”を実名と顔写真付きで記事にした翌日、WRCBのレポーター、ハンター・ホグランドは彼らの貸倉庫から段ボールに詰まった消毒剤が次々とトラックに積み込まれる様子を収めた動画をTwitterに投稿。兄弟は消毒剤を消防署や病院、教会に寄付することに決めたのだという。

 

マットは最後まで諦めきれなかったのだろう。個人ドメインでショッピングサイトを作って転売しようとしたようで、ネット上には「http://mattcolvin.com/」というサイトが存在している。しかし、現在そこにあるのは「NYTに載った全ての商品は教会に寄付されます」という一文のみだ。

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