与正氏は故・金正日 総書記の四女として誕生。金正日氏には複数の妻がいたが、与正氏の母親は、正恩氏と同じく高容姫だ。
「与正氏が初めてメディアの前に姿を現したのは’11年、金正日総書記の葬儀で、最初の印象はおとなしい感じでした。しかし翌年の首都・平壌での遊園地竣工式の映像には、正恩氏の後方で、制止もされず花壇を踏み越える姿も映っています。同じころ北朝鮮が公開した笑顔の乗馬写真、また後の“ほほ笑み外交”などもあり、ずっと“自由奔放で明るい”というイメージを持たれていましたが、連絡所爆破などにより、人々を驚かせているのです」(ジャーナリスト・高月靖さん)
与正氏という人物を語るうえで欠かせないのが、独裁者である兄との強い絆だ。『コリア・レポート』編集長の辺真一さんはこう語る。
「このきょうだいはスイスで2年間の留学生活をおくっています。故郷を離れた共同生活のなかで、兄は幼い妹の面倒をみており、また妹は兄を頼りにしていました。金正日総書記の専属料理人を務めていた藤本健二さんは、子供たちの遊び相手も務めていましたが、彼からもきょうだい仲のよさについて聞いたことがあります」
スイス留学時代の成績は妹・与正氏のほうが優れていたという。
与正氏の私生活はベールに包まれている。北朝鮮の有力政治家の次男と政略結婚したという報道もあったが……。
「彼女が金日成総合大学に通っていた当時に知り合った男性で、物理学専攻の学生だったと聞いています」(辺真一さん)
「3歳年上の大学の同窓生と恋愛結婚をしたという説が有力です。現在その人物は、位はさほど高くないようですが、朝鮮労働党で働いているようです。また子供が2人いるのは間違いないようで、下の子は2~3歳ですね」(李相哲さん)