女帝・金与正の日本通な素顔 アニメ好きで自宅にファミコン
(写真:アフロ)

《(韓国の文在寅大統領は)ずうずうしくて傲慢》《(韓国政府について)おびえる犬ほどよく吠える》……、北朝鮮の金与正朝鮮労働党第一副部長(32)の暴言はエスカレートするいっぽうだという。

 

与正氏は、北朝鮮のトップである金正恩 朝鮮労働党委員長(36)の実妹である。

 

「’18年に与正氏は平昌冬季五輪に出席し、笑顔を振りまきました。当時は韓国内でも柔和なメッセンジャーと、もてはやされましたが、最近では強硬発言を連発し、南北融和の象徴である南北共同連絡事務所を爆破するなど、その豹変ぶりに韓国政府も韓国国民も驚いています」(韓国紙・政治部記者)

 

龍谷大学教授の李相哲さんは言う。

 

「いまや与正氏が、実質的に北朝鮮のナンバー2になっています。なぜ彼女が“豹変”したかですが、1つは北朝鮮という国家が、韓国への対応を強硬路線に切り替えたこと。もう1つは、彼女が兄から韓国への対応を任されて、とても高揚している状態にあるからだと思います。ひらたくいえば『南の文在寅の相手は、自分が出るほどのことではないから、妹のお前に任せるぞ』、ということですね」

 

また与正氏の存在感が増している背景には、正恩氏の体調不良もあるという。

 

「今年4月に心血管系の手術を受けたとも報じられています。重篤ということではないにせよ、あの体格であれば、今後も健康不安は払拭できないでしょう。周囲としても、万が一の場合に備えて、保険をかけておく必要を感じているのだと思います」(デイリーNKジャパン編集長・高英起さん)

 

与正氏は故・金正日 総書記の四女として誕生。金正日氏には複数の妻がいたが、与正氏の母親は、正恩氏と同じく高容姫だ。

 

「与正氏が初めてメディアの前に姿を現したのは’11年、金正日総書記の葬儀で、最初の印象はおとなしい感じでした。しかし翌年の首都・平壌での遊園地竣工式の映像には、正恩氏の後方で、制止もされず花壇を踏み越える姿も映っています。同じころ北朝鮮が公開した笑顔の乗馬写真、また後の“ほほ笑み外交”などもあり、ずっと“自由奔放で明るい”というイメージを持たれていましたが、連絡所爆破などにより、人々を驚かせているのです」(ジャーナリスト・高月靖さん)

 

与正氏という人物を語るうえで欠かせないのが、独裁者である兄との強い絆だ。『コリア・レポート』編集長の辺真一さんはこう語る。

 

「このきょうだいはスイスで2年間の留学生活をおくっています。故郷を離れた共同生活のなかで、兄は幼い妹の面倒をみており、また妹は兄を頼りにしていました。金正日総書記の専属料理人を務めていた藤本健二さんは、子供たちの遊び相手も務めていましたが、彼からもきょうだい仲のよさについて聞いたことがあります」

 

スイス留学時代の成績は妹・与正氏のほうが優れていたという。

 

与正氏の私生活はベールに包まれている。北朝鮮の有力政治家の次男と政略結婚したという報道もあったが……。

 

「彼女が金日成総合大学に通っていた当時に知り合った男性で、物理学専攻の学生だったと聞いています」(辺真一さん)

 

「3歳年上の大学の同窓生と恋愛結婚をしたという説が有力です。現在その人物は、位はさほど高くないようですが、朝鮮労働党で働いているようです。また子供が2人いるのは間違いないようで、下の子は2~3歳ですね」(李相哲さん)

 

実は、この与正ママは意外にも“日本通”なのだという。

 

「母の高容姫が、在日コリアンだったこともあり、幼いころに親子で来日して、東京ディズニーランドを楽しんだそうです。アニメのイラストを描くのが趣味だったという報道もありますが、料理人だった藤本さんに聞いたところでは、日本のアニメが好きだったそうです」(辺真一さん)

 

与正氏は日本語も“かなり話せる”そうで、藤本健二氏の著書によれば、正恩・与正きょうだいが子供のころは、自宅にファミコンなど日本の玩具があふれており、家族で東京ディズニーランドのアトラクションについて盛り上がることもあったという。

 

ディズニーランド観光は与正氏にとっては忘れられない思い出だったようだ。’12年に北朝鮮の音楽ユニット・モランボン楽団が公演を行った際にはミッキーマウスに似た着ぐるみなども登場したが、与正氏の演出だったとされている。

 

では、いつか与正氏が北朝鮮のトップになった際には、日本との関係も改善される可能性があるのだろうか?李相哲さんはこう語る。

 

「日本に好印象を抱いている可能性はあります。しかし与正氏のいまの存在感は、あくまでも兄がいてこそのものです。北朝鮮の最高指導者になるには軍隊経験も必要ですが、女性の彼女にそれが積めるのかという疑問もあります。正恩氏が死去し、彼女がトップになったとしても、さまざまな問題が生じるでしょう」

 

将来“暴言女帝“が日本も罵る日がこないことを祈りたいが……。

 

「女性自身」2020年7月7日号 掲載

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