妊娠中の妻を殺した“美男”死刑囚、最高裁が死刑判決を撤回
裁判でのスコット・ピーターソン(写真:ロイター/アフロ)

「スコット・ピーターソン事件」をご存じだろうか。映画『ゴーン・ガール』の元ネタにもなった、非常に有名な殺人事件だ。

 

2002年のクリスマスイブ。米カリフォルニア州で妊娠8カ月だったレイシー・ピーターソン(当時27)が失踪したと、夫であるスコット・ピーターソンが警察に通報した。美男美女カップルだったピーターソン夫妻の事件は全米で報道され、非常に高い注目と同情を集めた。しかし、警察関係者は初めからピーターソンに疑いの目を向けており、またピーターソンが実は不倫をしていたことがわかると、メディアは手のひらを返してピーターソンのスキャンダルを次々と暴き始めた。失踪前、不倫相手に「今年のクリスマスは妻なしで過ごせる」などと話していたことも露呈し、ピーターソンは四六時中パパラッチから狙われるようになっていった。

 

翌年4月、サンフランシスコ湾でレイシーと胎児の遺体が発見され、ピーターソンはレイシーに対する第一級殺人、胎児への第二級殺人の容疑で逮捕された。罪状認否では無罪を主張したが、裁判で陪審員は有罪の評決に達し、ピーターソンには死刑が言い渡された。2005年にサン・クエンティン州立刑務所に収監され、今もそこで刑の執行を待っている……はずだった。

 

カリフォルニア州最高裁判所が24日、ピーターソンへの死刑判決を撤回したとABC NEWSなど複数のメディアが報じている。

 

ピーターソンは、裁判が始まる前から異常なまでに報道が加熱しており、陪審員が正しい判断を下せずに不当な判決を受けたと主張していた。裁判所はこれを却下したが、「長年の合衆国最高裁判所の判例に鑑みて、陪審員の量刑に関する選択に明確かつ重大な誤りがあり、ピーターソンの権利を侵害した」として、今回の死刑判決撤回に至った。裁判当時、死刑に反対の立場を取っている陪審員が解任されたことも根拠の一つだという。

 

有罪判決を覆すものではないため、ピーターソンの収監はこのまま続く。地方検事が請求すれば、改めて裁判が開かれることになる。

 

カリフォルニア州で最後に死刑が執行されたのはアーノルド・シュワルツェネガー知事時代の’06年。現在のギャヴィン・ニューサム知事は在任中の死刑執行は行わないと明言している。

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