動物園などがライブカメラを設置し、動物の様子をリアルタイムで発信するサービスが増えている。米ニューヨーク州サンドレイクにある農場ジューン・ファームズも、妊娠中のブタがいる豚舎を生中継するYouTubeチャンネル「Swine Cam」を起ち上げた。お産が始まれば命の誕生を見届けることができるという、心温まる試みだった。しかし、豚舎が“温まりすぎる”アクシデントが発生した。
ローラ・パラディーノさんは金曜の夜、小ブタが生まれたかどうか気になってチェックしていた「Swine Cam」を見始めた。パラディーノさんがCBSに語ったところによると、彼女にとってこのチャンネルは「インターネットの中で最もストレスが少ないもの」だという。
しばらくのんびりとエセルという名の母ブタを眺めていると、壁にかかっていたヒートランプが、エセルのお尻にぶつかった衝撃で寝ワラの上に落ちてしまった。さらに、エセルはその上になぜかワラをかけ始めるではないか。乾燥したワラが瞬く間に燃え上がる様子を見たパラディーノさんは、当時の心境についてこう話す。
「怖くなりました。その時、ライブストリーミングを見ていたのは私だけだったんです。でも私にできることは何もないし、本当に恐ろしい思いをしました」
パラディーノさんはジューン・ファームズに電話をかけたが応答がなかったため、警察と消防に通報。すぐに牧場主に連絡が取れたようで、従業員が急いで駆けつけて消火器で火を消し、大ごとには至らなかった。
ジューン・ファームズはすぐに報せてくれたパラディーノさんに深く感謝しているという。パラディーノさんの機転で救われたエセルが生んだ最初の子ブタは、「ローラ」と名付けられたそうだ。