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NBAロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズが、自身のツイートが原因で激しい批判を浴びている。

 

20日にコロンバス市警の警官が16歳の黒人少女マキア・ブライアントさんを射殺。ジェームズは、この警官の写真に「次はおまえだ」というキャプションを付けてツイートした。これが大炎上を招いているのだが、なぜそこまで問題視されるに至ったのだろうか。経緯を辿ってみよう。

 

BLM運動の引き金となったジョージ・フロイドさんの死亡事件で、彼の首を膝で圧迫して死に至らしめたミネアポリス市警の元警官デレク・ショーヴァンの裁判が21日行われた。The New York Timesなど複数のメディアの報道によると、第2級殺人など3件の罪状で、陪審員の評決はいずれも有罪。量刑の言い渡しは8週間後だが、3件合わせて75年ほどの禁固刑になるだろうと見られている。

 

ジェームズは、ショーヴァンへの判決を受け、ブライアントさんを殺害した警官に「次はおまえ(が有罪になる番)だ」と発言したのだ。しかし、ブライアントさんの事件はフロイドさんの事件とは全く性質が異なる。

 

NPRによると、ブライアントさんは事件のあった日「年上の子たちに暴行される」と警察に通報していたという。警官が急行し発砲する事態となったが、撃たれたのはなぜかブライアントさんだった。コロンバス市警が公開した警官のボディカメラの映像には、3人の少女がケンカをする様子が映っている。ナイフを持ったブライアントさんが、少女の一人を止まっていた車の方に押し倒して刺そうとしたため、これを止めるために警官は彼女に向けて発砲。警官は発砲するまでに3回「伏せろ!」と叫んでいた。

 

コロンバス市のアンドリュー・ジンサー市長は「この映像を見る限り、彼は我々のコミュニティに住む女性を守るために行動したことがわかります。しかし、家族は今、悲しみに暮れている」とコメント。

 

黒人の少女を白人の警官が撃ったという構図だけが一人歩きし、米国各地でデモが起きているが、この警官は二人の少女を救ったとも言える。以上の事実を鑑みると、ジェームズのツイートは的外れであると言わざるを得ない、という意見があがっているのだ。

 

アーカンソー州選出のトム・コットン上院議員は「レブロン・ジェームズはオハイオ市警への暴力を煽動している。これは恥ずべきことであり、危険なことだ。NBAはこれを良しとしているのか? Twitterは?」とツイート。

 

警官が黒人を殺害するケースが多発したことで、白人警官への憎悪感情が高まっている昨今。4,960万人のフォロワーを持つジェームズが暴動を扇動したとなれば、その影響は計り知れない。

 

ジェームズは当該ツイートを削除し、「もう黒人が警官に殺されるのを見るのはうんざりなんだ。俺がさっきのツイートを消したのは、さらなるヘイトを生み出してしまうからだ。これは一人の警察官の問題じゃない。システム全体の問題であり、彼らは俺たちの言葉を使ってさらなる人種差別を作り出す。彼らがより多くの責任を負うことを切望している」と釈明。

 

これが火に油を注ぎ、「あの子が別の人を刺そうとしていたって事実を無視するの?」「あんた自身がヘイトを生んでるんだよ」といったコメントが数万件寄せられている。

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