人が怒りを覚える原因は千差万別だが、あまりに理不尽なものもある。
CBS Miamiによると、先週水曜日のお昼時、米フロリダ州マイアミのスターバックスでオマー・ライト(38)は自身が注文した品を受け取るや激怒した。
「ベーグルにクリームチーズが入ってねえ!」
地元テレビ局Local10の報道によれば、この店舗では、マイアミ・ガーデンズ警察のデルマ・ノエル=プラット本部長の長女(23)がバリスタとして働いており、彼女が窓越しにライトの接客にあたっていた。
ライトに「落ち着いてください。お客様はクリームチーズを注文されましたか?」と尋ねると、ライトは非常に動揺し、右手に持っていたハンドガンを振り回しながら「俺はお前みてえなクソ女が大嫌いなんだよ! クソが! 何様なんだよ! 俺はキャロルシティから来たんだぞ!」と叫んだという。
Local10が報じている警察の報告書には、「被害者は、容疑者が銃を自分に向けてはいなかったものの、クリームチーズを渡さなければ命が危険に晒されると感じた」とある。
クリームチーズを受け取ったライトは車で走り去ったが、翌日防犯カメラに映っていたナンバープレートの情報から身元が判明し、逮捕された。
ノエル=プラット本部長は、「母親として、非常に不安を覚えています。こういったケースがあることはよく知っていましたが、実際に自分の家庭に起こり、計り知れないショックを受けています。ベーグルにクリームチーズが塗られていないというだけで、これほど極端なことをする人がいるとは。本当に腹が立ちます。この国では、多くの人が自分の問題に対処できず銃でそれを解決しようとします。もし何かに突き当たったら、相談することが大切です。自分だけで抱え込まないで下さい。何かに怒りを覚えたのなら、他にも方法はたくさんあります。カウンセリングに行きましょう。散歩もいいですね。でも、銃に手を伸ばすのはいけません。それは誤りです」と、CBS Miamiは本部長のコメントを報じた。
またCBS Miamiは、ライトの弁護士が「依頼人はベーグルを購入しただけであり、武装強盗で起訴されるいわれはない」と法廷で主張したが、判事は銃器による加重暴行を認め、保釈金を1万ドルに設定したと報じている。また、ノエル=プラットの長女への接近禁止と、スターバックスから500フィート(約152メートル)以内に近づかないことを誓約させられたという。
逮捕の翌日、前出のLocal10の取材班がライトの両親を直撃。母親はひどく取り乱し、「息子はとても親切で、責任感もあるんです!」と主張。一方で父親は、「彼がしたことは本当に愚かで、お恥ずかしい限りだ」とうなだれた。