45年もの間、刑務所に入っていた男性は潔白だった。
米オハイオ州クリーブランドで、1974年に妻を殺害した容疑で逮捕され服役していたイザイア・アンドリューズさん(83)の2度目の陪審員裁判が10月19日に行われ、10月27日に証拠不十分で無罪判決が下されたと、地元テレビ局のWOIO-TVなどが報じている。
1974年9月18日、イザイアさんの妻レジーナさんはホテルで11回刺され、遺体はベッドリネンに包まれて、クリーブランド市内にあるフォレスト・ヒル・パークに遺棄されていたという。
イザイアさんは逮捕当時から一貫して無罪を主張。New York Daily Newsによると、これまでに冤罪で投獄された人30人以上を釈放に導いてきた「オハイオ・イノセンス・プロジェクト」の支援で、2020年にようやく再審請求が認められ、イザイアさんは仮釈放されていた。
1975年に開かれた裁判では、別の男が容疑者として捜査線上に浮上していたことが陪審員たちには知らされていなかったと、Cleveland.comは伝えている。
現場で発見された証拠が、この別の男が事件に関与していたことを示唆するものであったにも関わらず、クリーヴランド警察の担当捜査官が捜査資料を隠匿していたことをオハイオ・イノセンス・プロジェクトの弁護士が見つけ、裁判所に指摘していた。
再審で陪審員は、イザイアさんを殺人に結びつける証拠はないと判断し、無罪の評決に達したという。
イザイアさんは現在がんを患い、車いす生活を強いられている。無罪の判決を受けて「やっと全ての重荷から解放された。私は自由だ」とWEWS-TVの取材に対して、喜びを語った。
なお再審で裁判所に提出された資料によれば、捜査線上に浮上していた別の男は2011年に死亡していると、前出のWEWS-TVは報じている。