2019年に米コロラド州デンバーの州間高速道路70号線で車28台が絡む玉突き事故が起こり、4人が死亡、6人が負傷した。この事故の原因を作ったとされるトラック運転手のロジェル・アギレラ=メレドス(23)が有罪となり、今月13日に禁固110年の量刑が言い渡された。
しかし、この判決が「冤罪」だとして被告の赦免もしくは減免を求める署名が約450万筆(12月21日現在)集まっている。Fox Newsなどが報じている。
アギレラ=メレドスの運転するトラックが高速道路の走行中にブレーキが効かなくなり、時速136キロで停車していた車列に追突し、大規模な爆発を引き起こしたこの事故は、当時大いなる悲劇として全米で報道された。
検察は、高速道路に設置された緊急退避所に入らなかったアギレラ=メレドスの非を主張。
判決が出た後、アギレラ=メレドスは「私は犯罪者ではありません。殺人者でもありません。私の罪状を見ると、殺人犯について話しているように感じます。私は違います。私はこれまでの人生で、誰かを傷つけたいと思ったことなど一度もありません」と涙ながらに訴えていたとFox Newsは伝えている。
Change.orgに開設された署名ページでは、発起人の女性が責任の所在は雇い主である運送会社にあるとして、次のように主張している。
「ロジェル・アギレラ=メレドスには違反の記録も犯罪歴もありません。
捜査官や裁判所の命令に素直に従い、薬物・アルコール・化学物質検査にも全てパスしました。
この事故は故意に起こされたものではなく、運転手による犯罪行為でもありません。この事故は、彼を雇用していた運送会社にこそ責任があります」
また、署名を求めるページには、雇い主の会社は2017年以降、何度か立ち入り検査を受けており、そのたびに整備上の違反が見つかっていたとも主張している。
署名した人々のコメントを見ると、整備不良のトラックに社員を乗務させたことが事故の原因となったと考えているようだ。
Fox Newsによれば、ヒスパニック系の公民権団体「ラテンアメリカ市民連盟」のドミンゴ・ガルシア会長はコロラド州のジャレッド・ポリス知事に恩赦を求める書簡を送付したそうだ。
「これはひどい冤罪だ。明かな事故なのに、初犯で110年も食らうなどあり得ない。ブレーキが効かなくなるなんて誰にでも起こりうることだ。故意ではない」とガルシア会長はFox Newsに対してコメントした。
アギレラ=メレドスは、裁判で被害者遺族に何度も謝罪し、遺族の中には彼を許すよう求める人もいたという。
コロラド州のジャレッド・ボリス知事は広報担当者を通じて、「弁護側からの申請を歓迎し、検討を早める」というコメントを出したと、ABC7は伝えている。