人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェイド判決」が先月24日に米連邦最高裁で覆されたことから、共和党優位の州では中絶を違法とする動きが広がっている。
連邦最高裁の判断を受け、共和党のマイク・デワイン知事が治めるオハイオ州は、一般的に胎児の心拍が認められる時期にあたる妊娠6週以降の中絶を禁止した。
そのために、レイプで妊娠してしまった少女(10)が中絶を拒否される事態が6月27日に起こったという。
このことが報じられると、全米各地で行われている中絶の権利を求めるデモ活動に拍車をかけた。
オハイオ州に住んでいるこの10歳の少女は、現在も中絶が違法とされていないインディアナ州インディアナポリスの産婦人科へと赴き、中絶手術を受けることができたとThe Cincinnati Enquirerが報じている。
手術を担当したケイトリン・バーナード医師が、同紙に手術したことを認めたという。
現在もインディアナ州には州外から中絶手術をしてもらうために訪れる女性が殺到しているが、州議会は今月25日に開催される特別総会で中絶を制限、または禁止する見込みだ。
バーナード医師はThe Cincinnati Enquirerの取材に対して、「あと数週間のうちに、このケアを提供できなくなるなんて考えられません」と語った。