英国のイラストレーターで作家のレイモンド・ブリッグズさんが亡くなったと遺族が8月10日に公表した。英BBCなどが報じている。88歳だった。
ブリッグズさんは1973年に絵本『さむがりやのサンタ』で、特に優れた絵本作家に贈られるケイト・グリーナウェイ賞を受賞。
1978年に発表した『スノーマン』は、これまでに全世界で550万部以上を売り上げる大ヒット作品となった。その後制作された映画版はアカデミー賞短編部門にノミネートされ、英国アカデミー賞を受賞。英国では、1982年から毎年のようにクリスマスシーズンに放映される冬の風物詩となっている。
また、核戦争を題材にした『風が吹くとき』(1982年)では、無垢な老夫婦が放射線被ばくによって衰弱していく様子を淡々と描いた。
評論家のトビー・アールはTwitterで、「レイモンド・ブリッグズは、無邪気さや驚きの感覚だけではなく、純粋な恐怖をも効果的に伝える術を持っていた。なんという作家だろう」とその無二の才能に賛辞を送った。
遺族は死因は明らかにしていないが、「レイモンドの最期の数週間、親切で思いやりのあるケアをしてくれたロイヤル・サセックス郡病院へ感謝します」と述べていることから、亡くなる直前のブリッグズさんは入院生活を続けていたようだとBBCが伝えている。