Netflixオリジナルドラマ『ダーマー』の人気が凄まじい。
『ストレンジャー・シングス4』に次ぐ史上2位の視聴時間を獲得している本作は、1979年から1991年にかけて米ウィスコンシン州ミルウォーキーで17人もの男性を殺害した殺人鬼、ジェフリー・ダーマーの一生を描いた作品だ。
被害者の遺体を陵辱したばかりか、自分に従うゾンビにするために雑なロボトミー手術を施したことや人肉食をしたことも自白しており、その残虐性と異常性が全世界を震撼させた。
そんなダーマーの犯罪を、詳細に描いたドラマがこれほどの人気を博しているという事実は、彼に殺された人々の家族を激しく傷つけている。
INSIDERによると、被害者の1人エロール・リンゼイさんの娘、タチアナ・バンクスさんはドラマの情報を見聞きして以来、悪夢に苦しめられ続けているという。眠っていてもダーマーの姿がちらつき、熟睡できない日々が続いている。父親が19歳という若さで殺されたとき、タチアナさんは生後6カ月だった。
タチアナさんの伯母で、エロールさんの姉にあたるリタ・イズベルさんは、自分が法廷で声を荒げてダーマーに詰め寄ったシーンをドラマで再現された。髪型も服装も忠実に当時のリタさんに倣っているが、Netflix側から彼女に映像化に関する許可申請などは一切なかったという。リタさんはINSIDERの取材に応じ、「当時からずっと悲しみの中にいる人だっている。だから、Netflixは連絡するべきだったと思う」とドラマ側に対して苦言を呈した。
さらに、個人売買サイトebayでは、ダーマーが身に着けていたものとそっくりなメガネやシャツがハロウィン用コスチュームとして販売され、物議を醸している。『13日の金曜日』のジェイソンのように、ジェフリー・ダーマーがホラーのキャラクターとして一人歩きを始めているのだ。
31歳でダーマーに命を奪われたトニー・ヒューズさんの母シャーリーさんは、「Netflixやオンラインストアが、息子の死で利益を得ることは苦痛以外の何物でもない。Netflixがこんな番組を配信しなければ、どの遺族も再びこのような被害に遭うこともなかったのに」とTMZにコメントした。ハロウィンでダーマーの真似をするのは絶対にやめてほしいと釘を刺した。
ebayの広報担当者は、「憎悪、暴力、犯罪行為を助長する出品は禁じられており、ダーマーのコスプレアイテムは明らかにこのポリシーに抵触する」とし、当該アイテムは見つけ次第削除しているが、次々と出品されており、いたちごっこ状態となっている。