1950年代、高校生だったボブ・ディランが恋人へと書き送った42通、150枚にも及ぶラブレターの数々がオークションにかけられている。
手紙は、ディランが改名する前の名前、“ロバート・ジマーマン”だったころに、恋人のバーバラ・アン・ヒューイットさんへの愛を綴ったものだ。ヒューイットさんが亡くなった後、その娘が手紙を発見し、競売にかけられるに至ったと米Billboardは報じている。
主催者のRR AUCTIONは手紙の詳細な内容は明かしていないが、「100万枚のレコードを売る」「アメリカン・バンドスタンドに出演して大勢の女の子たちの歓声を浴びる」といった未来の成功を予言したかのような文章が見られるという。
また、改名することについてヒューイットさんに意見を求めており、そこには候補として「リトル・ウィリー」「エルストン」などの名前が書いてあったそうだ。
2人の関係が終わりを迎えたとき、最後の手紙でディランは自分の写真を返して欲しいと頼んでいたが、その後もディランはヒューイットさんを忘れられなかったようだと彼女の娘がRR AUCTIONに語っている。
1960年代に大成功を収めたあと、ディランはヒューイットさんに電話をかけ、カリフォルニアへ来ないかと誘ったという。ヒューイットさんはこの申し出を断り、別の男性と結婚したが7年後に離婚。生涯再婚はしなかったそうだ。
RR AUCTIONのボビー・リビングストン氏は「ディランの曲に赤毛の女性がたびたび登場するのは、ヒューイットさんにインスパイアされたからでは」という推測を語ったと、Billboardは伝えている。
開始価格は25万ドル(約3530万円)、入札締め切りは11月18日だという。