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米ニューヨーク州のホークル知事は12月15日、州内のペットショップに対し、商業ブリーダーから入手したイヌやネコ、ウサギの販売を禁じる法案に署名し、新法が成立した。2024年12月から施行される。劣悪な飼育環境下で、営利目的で繁殖を行う悪質な業者の根絶が法案の狙いだ。州内に約80店舗あるペットショップ側は法案に反対したが、州議会は6月、超党派で可決した。

 

法案で販売禁止としたうえで、保護犬や保護猫を引き取ることを議会は奨励。愛護団体がペットショップを借りて動物を展示したり、譲渡会を開いたりする際には、店側に場所代請求を認め、両者の今後の協力を促している。

 

フランスもまた、議会上院で2021年11月、動物の扱いに関する法律の改正案が可決。2024年1月から、ペットショップで犬や猫の販売が禁止されることが決まっている。新たな法律に盛り込まれた規定として、(1)ペットショップなどで犬や猫の販売を禁止(2)動物のショーケースでの展示を禁止(3)インターネットで一般の人が犬や猫の販売を行うことを禁止、が挙げられる。犬と猫を除く動物については引き続きペットショップでの販売は可能だが、衝動買い防止のため、通りに面した窓際にケージを置いたり、動物を見せるようなレイアウトをすることは禁止されている。

 

フランスでは、ペットショップでの犬や猫の販売禁止に加え、2026年にはイルカやシャチのショーを禁止、2028年には巡回式のサーカスで野生動物を利用することも禁止されることになっており、動物をめぐる規制はさらに強化される。

 

日本では今のところ、ニューヨーク州やフランスのようにペットショップでの販売を禁止する動きはない。だが、ペットショップやブリーダーなど犬や猫を扱う事業者に対する規制は強化が進んでおり、少しずつ前進している。

 

日本における繁殖業者やペットショップに対する規制の強化は、過去の動物愛護法改正のたびに議論されてきた。そして、業界団体の激しい抵抗にあいながらも、2019年に改正法が可決、成立した。環境省は改正法で、飼育するケージの大きさや1人当たりが飼育できる犬や猫の頭数などに初めて数値基準を設ける省令を整備し、21年6月に施行。幾度にもわたる出産の強制や、狭く汚いケージなどでの劣悪な飼育環境下におく悪質な業者を取締まるのが狙いだ。

 

なぜ悪質な繁殖業者が今までずっと営業を続けてこられたのか。その背景にはやはり、犬や猫をできるだけ幼いうちから大量にショーケースに並べて衝動買いを誘発し、利益を得ることを目的とする大手のペットショップの存在がある。

 

だが一番の問題は、安易に衝動買いをしてしまう消費者側にあるのではないか。現在日本では、一度家族としてペットを迎え入れたものの、身勝手な理由でペットを捨ててしまう飼い主が後を絶たない。動物愛護管理法では、愛護動物を遺棄した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になると規定されているが、環境省の統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」(令和2年度)によると、72,433頭もの犬猫が、飼い主持ち込みも含め保健所に引き取られている。そのうち約50,000頭は無事譲渡されたり飼い主に返還されているが、約20,000頭以上がいまだ殺処分されているのが現実だ。

 

犬や猫を飼ううえで必要なのは、「家族を迎え入れる」意識と覚悟。

 

12月12日は奇しくも保護犬(わん)・保護猫(にゃん)の日であった。もしも新たな家族を迎え入れるのならば、ペットショップで買うのではなく、保健所に引き取られている保護犬・猫たちをという選択肢を念頭においてはどうだろうか。

 

動物は物ではない。

 

安易に販売され、手放されたペットたちが、これ以上の被害に遭わず、幸せな終の棲家に出会えることを願う。そして、ニューヨークやフランスのように、愛玩動物のペットショップでの販売を見直す議論が高まることを期待したい。

出典元:

WEB女性自身

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